第46回日本集中治療医学会学術集会

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看護交流集会

[NS3] 看護交流集会3
(看護将来計画委員会企画) 次世代の集中治療看護師のキャリア形成を考える

Sat. Mar 2, 2019 3:05 PM - 4:05 PM 第19会場 (グランドプリンスホテル京都B2F プリンスホール2)

座長:稲垣 範子(摂南大学看護学部), 茂呂 悦子(学校法人自治医科大学 自治医科大学附属病院看護部)

[NS3-4] 集中治療看護師のキャリア形成支援~看護管理者の立場から ~

鈴木 智恵子 (日本医科大学付属病院 看護部)

ライブ配信】

私は、看護部長職に就く前約13年間、日本医科大学付属病院(以下当院)集中治療室の看護師長として管理を担っていた。当時、当院ではクリニカルラダーが導入されておらず、おおよその目安として、経験年数別に到達すべき目標(知識・技術・行動)を設定し、看護師を支援してきた。当時、私が看護師と目標管理面接を通して感じていたことは、看護師の多くが疾患を軸とした目標設定がされており、「○○の看護を理解する」とか「○○の看護を実践できる」という表現が少ないことであった。このことに違和感と危機感があり、自身の管理のありようを振り返るとともに、看護について熱く語った記憶がある。遅ればせながら、2014年に日本医科大学看護部キャリア開発として、「ジェネラリストのためのクリニカルラダー」が導入された。現在集中治療領域では、それに加えて「集中治療に携わる看護師のクリニカルラダー(集中治療医学会)」を活用し、看護師の実践能力評価を行っている。エドガー・シャインが発案したキャリアアンカーを構成している3つの要素、1.自分は何が得意かという「能力・才能」、2.自分は何がしたいのかという「動悸・欲求」、3.自分は何をすれば役に立っていると感じるかという「意味・価値」、これらの要素は、個人がキャリアを形成する上で最も大切であるとされている。現場の看護師長は、キャリアアンカーを理解し、能力評価を効果的にフィードバックしながら、看護師一人一人が、自身の成長を実感できるような関わりが求められる。病院機能分化が進みそれぞれの施設の役割が明確に示されている現在、当院のような高度急性期病院の看護師には、極めて高い専門知識、技術、アセスメント能力が必要とされている。看護師自らが生活者としての患者をどのように捉え、地域での生活を視野に、自分たちが行っている看護が患者の今後に何をもたらし、どのように影響するのかしっかり考えられる自律した看護師を育成したい。現場の看護師長は、患者を中心においたキャリアデザインが描けるよう、支援することが重要であり、それを更に支援し導く役割が看護部長である私の役割であると認識している。この度の交流集会が有機的なセッションになることを期待するとともに、自施設の看護師のキャリアマネジメントに活かしたいと考える。