[O10-3] 痙攣発作で舌咬傷をしたことで著明な舌腫脹を来たし、ICU管理に苦慮した一例
【背景】
痙攣発作により舌咬傷を認めることは知られているが、それが致命的なものに至る報告は多くない。今回出血傾向のある基礎疾患も関係して舌咬傷による著明な舌腫脹を認め、ICU管理に苦慮したが、保存加療にて舌機能を損なうことなく経過した症例を経験したため報告する。
【臨床経過】
統合失調症・特発性血小板減少が既往にあり通院中の35歳女性。
自宅内で口から血を流して倒れているとのことで救急要請され当院救急搬送。当院受診時は意識レベル3ケタで、舌根部を強く咬んでいる状態で、腫脹した舌が口腔内より突出し、口腔内に還納できる状態ではなかった。血液検査から114mmol/lの低Na血症を認め、1日5L程度の飲水という家族からの病歴により水中毒からの痙攣発作と考えられた。
意識障害と口腔内からの出血のため気道確保が必要であり、経鼻挿管を施行し、集中治療室で全身管理を行う方針となった。
舌腫脹に関しては、原因がうっ血によるものと考えられたが鎮静薬のみでは舌を咬んだ状態が持続しうっ血が解除できなかったため、筋弛緩薬使用したうえで腫脹の軽減を図った。入院3日目には腫脹軽減し、口腔内のスペースも十分確保できたため抜管に至っている。
【結論】
出血傾向が背景にある痙攣発作では、通常の痙攣重積時の気道管理に加えて、舌腫脹という気道確保手段の選択肢が限られる事態が起きることを想定しておく必要がある。また舌腫脹に関しては、明確な対処法が示されているわけではないが、原因の除去を行うことで十分腫脹を軽減でき、外科処置をせずに対応し舌機能を温存できることが分かった。
痙攣発作により舌咬傷を認めることは知られているが、それが致命的なものに至る報告は多くない。今回出血傾向のある基礎疾患も関係して舌咬傷による著明な舌腫脹を認め、ICU管理に苦慮したが、保存加療にて舌機能を損なうことなく経過した症例を経験したため報告する。
【臨床経過】
統合失調症・特発性血小板減少が既往にあり通院中の35歳女性。
自宅内で口から血を流して倒れているとのことで救急要請され当院救急搬送。当院受診時は意識レベル3ケタで、舌根部を強く咬んでいる状態で、腫脹した舌が口腔内より突出し、口腔内に還納できる状態ではなかった。血液検査から114mmol/lの低Na血症を認め、1日5L程度の飲水という家族からの病歴により水中毒からの痙攣発作と考えられた。
意識障害と口腔内からの出血のため気道確保が必要であり、経鼻挿管を施行し、集中治療室で全身管理を行う方針となった。
舌腫脹に関しては、原因がうっ血によるものと考えられたが鎮静薬のみでは舌を咬んだ状態が持続しうっ血が解除できなかったため、筋弛緩薬使用したうえで腫脹の軽減を図った。入院3日目には腫脹軽減し、口腔内のスペースも十分確保できたため抜管に至っている。
【結論】
出血傾向が背景にある痙攣発作では、通常の痙攣重積時の気道管理に加えて、舌腫脹という気道確保手段の選択肢が限られる事態が起きることを想定しておく必要がある。また舌腫脹に関しては、明確な対処法が示されているわけではないが、原因の除去を行うことで十分腫脹を軽減でき、外科処置をせずに対応し舌機能を温存できることが分かった。