[O102-2] New-onset refractory status epilepticus(NORSE)に対して持続脳波モニタリングを行い転帰良好であった二例
【背景】New-onset refractory status epilepticus (NORSE)は予後不良の転帰を来す重症神経疾患の一つである。鎮静薬によるてんかん重積の管理や早期の免疫療法による治療が期待されている。我々は持続脳波モニタリングを行い転帰良好であった二例を経験したので報告する。【症例1】30代女性。来院当日、自宅でけいれんを起こし、当院救急外来を受診。受診時、顔面から始まり全身に広がる強直間代発作を複数回認め、ジアゼパム投与でも発作継続するため、気管挿管、鎮静を行った。血液検査では電解質等の異常なく、頭部MRIでは異常所見なし。第3病日に抜管したが、発作が継続するために再挿管を行い、持続脳波モニタリングを開始した。periodic dischargeを認め、発作が継続するため、チアミラール静注を開始しsuppression-burst patternを維持した。第9病日よりステロイドパルスを開始し、その後に血漿交換を6回行った。発作回数は徐々に減少し、それに伴い意識の改善を認め、意思疎通可能になり第151病日に転院となった。【症例2】30代男性。他院にて発熱後にけいれんを起こし入院。発作が持続するため、当院へ転院となった。血液検査では抗GAD抗体陽性であり、頭部MRIでは側頭葉に病巣を認めた。プロポフォールによる鎮静下でも左上肢のけいれんが持続するため、ICUにて持続脳波モニタリングを開始した。periodic dischargeを認め、発作が継続するため、チアミラール静注を開始しsuppression-burst patternを維持した。第5病日からステロイドパルスを開始し、血漿交換を6回行った。発作回数は減少し、意思疎通可能になり第56病日に転院となった。【考察】持続脳波モニタリングにより難治性けいれん重積の脳波異常を検出し、早期にバルビツレート療法および免疫療法を行うことができた。治療の効果判定を持続的に行うことにより、適切な薬剤量の調整や追加の治療が必要かを判定することができ、転帰良好に至ったと考えられる。【結語】難治性けいれん重積では持続脳波モニタリングを行うことで早期に治療を開始でき、予後良好となる可能性がある。