[O107-5] 病棟における呼吸数測定率の上昇は、Rapid Response Team要請の数と質を向上させる
【背景】
一般病棟における呼吸数評価の徹底は、より多くの早期Rapid Response Team (RRT)要請につながるのではないか。
【目的】
呼吸数(RR)測定頻度の上昇が、RRT要請の数と質を向上させるかを検証する。
【方法】
(1) 2015年から36ヶ月間の入院患者989,315人を対象とし、月あたりの集計を行った。RR測定頻度としてRR測定率を定義した([脈拍測定回数/対象患者]、に対する[RR測定回数/対象患者]の割合)。同期間の1000入院あたりのRRT要請件数(以下、要請件数)を算出し、RR測定率との関係を評価した。(2)効果的なRRSに必要とされる25件/1000入院の要請件数とRR測定率の関係を求めるためにROC曲線を描いた。同期間の要請1602件を対象に、RR測定率と、要請内容および要請時重症度(MEWS)との関係を調査した。
【結果】
RR測定率と要請件数との間に有意の相関があった(図1-1)。重回帰分析の結果、RR測定率は要請件数に対する独立規定因子であった(p<0.001)。図1-2にROC曲線を示した。25件/1000入院を達成した月のRR測定率は94.3%以上であった(感度100%)。RR測定率≧94.3% vs RR測定率<94.3%では、RR測定率≧94.3%の月においてMEWSのRRの得点は有意に低く(p=0.026)、「何か心配」でのRRT要請が有意に減少し(P=0.001)、「呼吸困難」および「RRの異常」と適切に判断する件数が有意に増加した(各々、P<0.026、P=0.002)。
【結論】
病棟におけるRR測定率の向上は、要請件数の増加ならびに要請の質向上に寄与した可能性がある。今後さらに呼吸数測定に関わる教育を徹底してゆく必要がある。
一般病棟における呼吸数評価の徹底は、より多くの早期Rapid Response Team (RRT)要請につながるのではないか。
【目的】
呼吸数(RR)測定頻度の上昇が、RRT要請の数と質を向上させるかを検証する。
【方法】
(1) 2015年から36ヶ月間の入院患者989,315人を対象とし、月あたりの集計を行った。RR測定頻度としてRR測定率を定義した([脈拍測定回数/対象患者]、に対する[RR測定回数/対象患者]の割合)。同期間の1000入院あたりのRRT要請件数(以下、要請件数)を算出し、RR測定率との関係を評価した。(2)効果的なRRSに必要とされる25件/1000入院の要請件数とRR測定率の関係を求めるためにROC曲線を描いた。同期間の要請1602件を対象に、RR測定率と、要請内容および要請時重症度(MEWS)との関係を調査した。
【結果】
RR測定率と要請件数との間に有意の相関があった(図1-1)。重回帰分析の結果、RR測定率は要請件数に対する独立規定因子であった(p<0.001)。図1-2にROC曲線を示した。25件/1000入院を達成した月のRR測定率は94.3%以上であった(感度100%)。RR測定率≧94.3% vs RR測定率<94.3%では、RR測定率≧94.3%の月においてMEWSのRRの得点は有意に低く(p=0.026)、「何か心配」でのRRT要請が有意に減少し(P=0.001)、「呼吸困難」および「RRの異常」と適切に判断する件数が有意に増加した(各々、P<0.026、P=0.002)。
【結論】
病棟におけるRR測定率の向上は、要請件数の増加ならびに要請の質向上に寄与した可能性がある。今後さらに呼吸数測定に関わる教育を徹底してゆく必要がある。