第46回日本集中治療医学会学術集会

講演情報

一般演題(口演)

RRS

[O107] 一般演題・口演107
RRS01

2019年3月2日(土) 16:30 〜 17:30 第13会場 (国立京都国際会館1F Room F)

座長:蕪木 友則(武蔵野赤十字病院 救命救急科)

[O107-5] 病棟における呼吸数測定率の上昇は、Rapid Response Team要請の数と質を向上させる

森安 恵実1, 大谷 尚也1, 小池 朋孝1, 濱崎 伸明2, 黒岩 政之3, 新井 正康4 (1.北里大学病院 集中治療センター RST・RRT室, 2.北里大学病院 リハビリテーション部, 3.北里大学医学部麻酔科学, 4.北里大学医学部附属新世紀医療開発センター・集中治療医学)

【背景】
一般病棟における呼吸数評価の徹底は、より多くの早期Rapid Response Team (RRT)要請につながるのではないか。
【目的】
呼吸数(RR)測定頻度の上昇が、RRT要請の数と質を向上させるかを検証する。
【方法】
(1) 2015年から36ヶ月間の入院患者989,315人を対象とし、月あたりの集計を行った。RR測定頻度としてRR測定率を定義した([脈拍測定回数/対象患者]、に対する[RR測定回数/対象患者]の割合)。同期間の1000入院あたりのRRT要請件数(以下、要請件数)を算出し、RR測定率との関係を評価した。(2)効果的なRRSに必要とされる25件/1000入院の要請件数とRR測定率の関係を求めるためにROC曲線を描いた。同期間の要請1602件を対象に、RR測定率と、要請内容および要請時重症度(MEWS)との関係を調査した。
【結果】
RR測定率と要請件数との間に有意の相関があった(図1-1)。重回帰分析の結果、RR測定率は要請件数に対する独立規定因子であった(p<0.001)。図1-2にROC曲線を示した。25件/1000入院を達成した月のRR測定率は94.3%以上であった(感度100%)。RR測定率≧94.3% vs RR測定率<94.3%では、RR測定率≧94.3%の月においてMEWSのRRの得点は有意に低く(p=0.026)、「何か心配」でのRRT要請が有意に減少し(P=0.001)、「呼吸困難」および「RRの異常」と適切に判断する件数が有意に増加した(各々、P<0.026、P=0.002)。
【結論】
病棟におけるRR測定率の向上は、要請件数の増加ならびに要請の質向上に寄与した可能性がある。今後さらに呼吸数測定に関わる教育を徹底してゆく必要がある。
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