[O107-7] 小児関連病棟におけるRRSとしてのかかわり ープロアクティブラウンドを通して見えてきたものー
【背景】当院では小児関連病棟における長期人工呼吸器装着患者が増加傾向にあり、特に小児一般病棟においては、1日平均約7台の人工呼吸器が稼働している状況にある。このような背景から、2016年よりRRS(Rapid Response System)としてプロアクティブラウンドを開始した。プロアクティブラウンドは、NICUやPICUから退室した子どものフォロー、その後の呼吸ケアの推奨やアドバイス、医師と看護師とのコーディネート、また呼吸器関連の安全の確保を目的に、平日午後の約2時間実施した。【目的】プロアクティブラウンド中に相談を受けた内容からラウンドの必要性と今後の課題を検討した。【方法】調査期間:2016年4月から2018年3月までの2年間のプロアクティブラウンド中に相談された内容を後方視的に分析した。【結果】 全相談件数:合計331件(14件/月)。平均20件/月程度と徐々に増加傾向にあった。病棟別では、小児一般病棟67%(221件)、NICU28%(94件)、PICU5%(16件)。内容内訳は、呼吸ケア53%(176件)、在宅人工呼吸器関連の設定関連15.4%(51件)、人工呼吸器の設定関連9.3%(31件)、その他の相談として、家族支援、在宅移行への相談などであった。また、61%(202件)が重症心身障害児に関する内容であった。相談者の職種は、90%(224件)が看護師、10%(24件)が医師からの相談もあり、呼吸器設定の相談を始め、在宅人工呼吸器関連の移行時期や設定変更の相談であった。【結論】 相談件数が小児一般病棟で最も多かった背景には、一般病棟にも関わらず、気管切開、在宅人工呼吸器装着患者が多く入院していることや重症心身障害児の特殊性のあるケアが多いことが挙げられる。RRSがプロアクティブラウンドとしてかかわることで、ハイリスク患者などを早期からマークでき、今後成人病棟へ転棟した時にRRSが病棟間の“繋ぎ役”として機能し、円滑な呼吸ケアの水準が確保できると考える。今後の課題として、小児はもともと成人のRRSのような予期せぬ心停止やコードブルーが少ないため、転帰改善を示しにくい現状があり、プロアクティブラウンドのアウトカムについて具体的に分析していく必要がある。