第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(口演)

患者管理

[O109] 一般演題・口演109
患者管理02

Sat. Mar 2, 2019 9:45 AM - 10:45 AM 第14会場 (国立京都国際会館1F Room G)

座長:瀬川 一(京都大学医学部附属病院麻酔科)

[O109-2] A病院ICUにおける看護行為量観察法からみた日勤帯の超過勤務時間に関連する要因

荒木 愛1, 小山 智美1, 佐藤 達也1, 春日 志保1, 谷崎 明子1, 金築 きよ美1, 福間 美紀2 (1.島根大学医学部附属病院 看護部 集中治療部, 2.島根大学医学部 看護学科)

【背景】集中治療室(以下、ICU)の看護師は、患者の生命維持管理など、一人に課せられる業務量は増大している。また、超過勤務を余儀なくされ、身体的・精神的負担は大きいため、超過勤務時間が発生する日勤帯の看護行為量の実態を明らかにし、課題に沿った効率化対策が必要となる。【目的】ICUの看護業務のうち日勤帯の超過勤務時間の実態を明らかにするとともに、超過勤務時間に関連する要因を明らかにし、ICUにおける日勤業務の効率化対策を検討することを目的とした。【方法】対象をICU看護師とした。日本看護協会の業務区分表を参考に、ICU関連看護行為48項目を分類し、調査票を作成した。調査は、業務時間内の業務内容に要した累計時間を5分単位で記入し、看護行為を直接・間接看護行為の2種類に分類し、累積時間を算出した。超過勤務時間と看護師の属性、入退出業務の有無とをt検定、一元配置分散分析を行った(IBM SPSS Statistics Version 24)。倫理的配慮として、対象者には、調査協力の任意性、協力同意後の撤回の自由、個人情報の守秘、質問への対応、結果の公表等について説明し、同意を得た。【結果】期間中の超過勤務時間の総計は、一人当たり51.7±50.2分であった。超過勤務内容には直接ケアが12.6±25.2分、間接ケアが34.8±37.1分であった。看護師経験年数別にみた超過勤務時間は、直接ケアは、1-4年目が8.6±12.6分、5-9年目が19.3±34.1分、10年目以上が4.6±9.6分で、経験年数間で有意な差があった (p=0.022)。ICU経験年数別にみると、1-4年目は55.9±49.4分、5-9年目は49.8±55.8分、10年目以上は19.2±26.7分で、ICU経験年数間で有意な差があった (p=0.044)。入退室業務の有無については、緊急入室の超過勤務総時間(p=0.002)と緊急入室準備の対応の超過勤務時間の直接ケア(p=0.001)、間接ケア(p=0.042)に有意差があり、緊急入室の準備や対応した看護師の超過勤務時間が長かった。【結論】ICUの日勤業務の超過勤務時間には、看護師経験、ICU経験、緊急入室の準備や対応を行うことが関連していた。そのため、ICUの業務内の患者割り当てには看護経験とICU経験のいずれも配慮する必要性が示唆された。ICU緊急入室対応は、直接、間接ケアの業務量を増やし、勤務時間延長につながっていることが考えられる。また、緊急入室の準備をする看護師の超過勤務にも影響を与えることから、緊急入室の準備、対応の業務調整が必要である。