第46回日本集中治療医学会学術集会

講演情報

一般演題(口演)

患者管理

[O109] 一般演題・口演109
患者管理02

2019年3月2日(土) 09:45 〜 10:45 第14会場 (国立京都国際会館1F Room G)

座長:瀬川 一(京都大学医学部附属病院麻酔科)

[O109-6] 地方二次病院ICU入室患者の概要

伊藤 辰哉1, 中村 明代2, 松本 幸久2 (1.高松赤十字病院 救急科, 2.高松赤十字病院 麻酔科)

保険制度の改定に伴い、ICU加算の要件は以前と比較すると厳しくなっている。当院は2002年ICU施設基準を取得した地方二次輪番病院である。ICU入室患者の概要を約15年前と比較検討したので報告する。<結果>当院はICU4床、HCU12床有している。2002年ICU入室患者は435名で、そのうち術後患者が201名(46.2%)、救急外来より141名(32.4%)入室したが、2017年は入室患者数は380名で、術後患者が187名(49.2%)、救急外来より94名(24.7%)であった。ICU入室患者を診療科別にみると、2002年は一般外科が22.9%と一番多て次に脳神経外科の22.5%が続いたが、2017年は心臓血管外科が41.3%と最も多く、循環器内科の18.9%が続いた。<考察>算定要件にいわゆるA項目・B項目の点数が必要になり、さらに2018年4月よりSOFAスコアの報告も必要となった。それに伴い、人工呼吸器による呼吸管理や動脈ラインを留置した循環管理が必須となり、単に大手術や意識障害といった診療報酬点数表にある病名だけではICUへ入室させることは厳しくなってきた。算定要件からは、循環器系の患者が多くならざるを得ないと思われた。また、救急外来からは1/4近い患者が入室していた。救急外来を充実させることでICU対象患者を増やす可能性があると思われた。<結語>約15年のICU入室患者の検討の結果、入室患者数はやや減少し、循環器系の患者の比率が増えていた。救急外来を充実させることでICU対象患者を増やす可能性がある。