[O109-7] 集中治療室における診療看護師の活動に対する看護師の評価についての調査
【目的】当院集中治療科では、2014年より診療看護師(Nurse practitioner:以下NP)が専従配属となりICU・HCUで活動している。当院のICUの病床数は14 床、HCUは12 床有しており、ICUは集中治療科による管理、HCUは各科により管理されている。NPの主な活動内容は、1)患者管理、特定行為の実施、2)診療の補助業務、3)検査や指示などのオーダー代行、4)Rapid Response Systemなどチーム医療への参加、5)看護師への教育の実施などである。現在までにNPの活動報告やNPが介入した症例の報告は多くされているが、NPの活動に対する看護師の印象についての報告は少ない。そこで当院のICU・HCUにおけるNPの活動に対する看護師の評価を調査した。【方法】ICU・HCU看護師に質問紙による調査を実施した。当院ではICUには医師が常駐しているが、HCUには医師が常駐していない。質問の内容としては、NPの役割を「診療のサポート」「組織的サポート」「精神的サポート」に分類し、それぞれの役割に対して5問ずつ計15問の質問を作成した。5)とてもそう思う、4)そう思う、3)どちらともいえない、2)あまりそう思わない、1)そう思わない、の5段階の選択式で回答を得た。【結果】ICU看護師27名、HCU看護師21名より回答を得た。「診療のサポート」においては、ICUがすべての項目において5)と4)合わせて60%以上、HCUが90%以上だった。「組織的サポート」においては「医師と看護師の情報の架け橋になっている」について、ICUが5)11%、4)49%、合わせて60%で、HCUが5)50%、4)45%、合わせて95%と両方で最も割合が高かった。「精神的サポート」においては「急変時や不慣れな処置をするときにサポートしてくれる」について、ICUが5)19%、4)56%、合わせて75%、HCUが5)55%、4)45%、合わせて95%と両方で最も割合が高かった。「診療のサポート」「組織的サポート」「精神的サポート」のすべての項目において、ICUよりもHCUの方が5)の割合が高かった。【結論】本アンケートにより、NPによる「診療のサポート」は、看護師にとって業務を円滑化させると評価されていることが示唆された。NPは医師の「診る」と看護師の「看る」の2つの視点を生かして、チーム医療の中で医師と看護師、患者をつなぐ架け橋となる効果がある可能性がある。また、常駐医師が不在のI集中治療室の方が、医師が常駐している集中治療室よりも、NPの活動による看護師への効果はより高くなると考えられる。