[O11-2] 巨大ブラを有する患者の人工呼吸時にElectro Impedance Tomography(EIT)使用して換気設定を施した1例
【背景】肺気腫患者の人工呼吸ではブラの破綻を回避しDependent Lungの換気を獲得することが重要であるが、ブラは低弾性、低圧拡大特性のためLow Flow P-V CurveではPressure of maximal compliance increase(Pmci)のPEEP設定の指標が得にくい。今回我々はEITを使用してPEEP Titrationを行い最大コンプライアンスが得られる換気設定を施したので報告する。【臨床経過】47歳男性、肺結核に罹患したが長期未受診であった。後に気胸を併発して重篤な呼吸不全となり術後気管切開が施された。状態改善、気管孔閉鎖後に肺炎を繰り返した。内視鏡で食道気管瘻を認め食道瘻直接閉鎖術と気管瘻直接縫合閉鎖+大胸筋皮弁による閉鎖部補強術を行い術後ICU入室となった。術前CT画像では肺上葉域に多数のブラがあり、特に左上葉のブラは巨大であった(CT図)。人工呼吸はEITを使用して吸気駆動圧=16、PEEP=0で開始し、3呼吸法(吸気圧60)Recruitment maneuverを施した後、PEEPを0より12 まで2cmH2Oずつ増加させながら呼気終末時の肺拡張度およびTidal伸展度合いとコンプライアンスが最大で得られるPEEP値を求め最終的に吸気駆動圧=13、PEEP=8で設定した(図)。当初Low Flow P-V CurveはAir trapping状を示したが最終設定後は改善した。最終換気設定後のP/Fは466であった。【結論】巨大ブラを有する患者の人工呼吸時にEITを使用し換気設定を行う事でDependent Lungの換気を獲得した