[O111-1] 開心術後心停止に対する蘇生方法のシミュレーション教育の効果
【背景】A病院では開心術後の心肺蘇生は医師や看護師の経験に基づいた対応であったため,欧州心臓胸部外科学会のガイドラインを参考にした対応が必要であると考えた.
【目的】ICU看護師を対象とした開心術後に対する心肺蘇生法のシミュレーション教育の効果を明らかにする.
【方法】研究デザイン:介入研究,期間:2017年8月から2017年11月,対象者:A病院ICUスタッフ16名,調査方法:教育前,教育直後,1ヶ月後,2ヶ月後に,VT時と心静止時に分けて,開心術後蘇生方法を実践してもらい,蘇生行動の観察と対応時間を測定.教育方法:開心術後の心肺蘇生方法の勉強会とシミュレーション訓練を実施.分析方法:教育前と教育直後の心肺蘇生の行動を比較.教育直後,1ヶ月後,2ヶ月後の対応行動を点数化し,点数と対応時間をFriedman検定し,有意水準は5%未満とした.
【結果】結果を表1にまとめた.教育直後にはほぼ全ての対象者が1分以内に対応でき,対応時間も短縮されていた.介入後の継続効果については,VT出現時の対応行動の点数変化のみに有意差(p<0.05)が認められ,Wilcoxon符号付順位検定にて多重比較を行い,教育直後と1ヵ月後(p<0.05),教育直後と2ヵ月後(p<0.05)に有意差がみられた.
【結論】教育直後ではVT時・心静止時ともに対応行動が取れ,対応時間も短縮されたが, VT時の除細動実施までに平均60秒程度を要するため,使用方法の周知や使用器具の検討が必要である.介入後の教育継続効果として,心静止時の対応行動は2ヶ月後も維持されていたが,VT時の対応行動は1ヶ月後に低下していたため,再教育が必要である.
【目的】ICU看護師を対象とした開心術後に対する心肺蘇生法のシミュレーション教育の効果を明らかにする.
【方法】研究デザイン:介入研究,期間:2017年8月から2017年11月,対象者:A病院ICUスタッフ16名,調査方法:教育前,教育直後,1ヶ月後,2ヶ月後に,VT時と心静止時に分けて,開心術後蘇生方法を実践してもらい,蘇生行動の観察と対応時間を測定.教育方法:開心術後の心肺蘇生方法の勉強会とシミュレーション訓練を実施.分析方法:教育前と教育直後の心肺蘇生の行動を比較.教育直後,1ヶ月後,2ヶ月後の対応行動を点数化し,点数と対応時間をFriedman検定し,有意水準は5%未満とした.
【結果】結果を表1にまとめた.教育直後にはほぼ全ての対象者が1分以内に対応でき,対応時間も短縮されていた.介入後の継続効果については,VT出現時の対応行動の点数変化のみに有意差(p<0.05)が認められ,Wilcoxon符号付順位検定にて多重比較を行い,教育直後と1ヵ月後(p<0.05),教育直後と2ヵ月後(p<0.05)に有意差がみられた.
【結論】教育直後ではVT時・心静止時ともに対応行動が取れ,対応時間も短縮されたが, VT時の除細動実施までに平均60秒程度を要するため,使用方法の周知や使用器具の検討が必要である.介入後の教育継続効果として,心静止時の対応行動は2ヶ月後も維持されていたが,VT時の対応行動は1ヶ月後に低下していたため,再教育が必要である.