第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(口演)

教育

[O111] 一般演題・口演111
教育01

Sat. Mar 2, 2019 8:45 AM - 9:35 AM 第20会場 (グランドプリンスホテル京都B2F ゴールドルーム)

座長:小寺 利美(滋賀医科大学医学部附属病院看護部 看護部管理室)

[O111-2] Burnsによる人工呼吸器離脱アセスメントプログラム(BWAP)を学習するe-learning教材の作成と教育効果の検討

木村 理加1, 林 直子2, 宇都宮 明美3 (1.聖路加国際大学大学院 看護学研究科 博士後期課程, 2.聖路加国際大学大学院 看護学研究科, 3.京都大学大学院医学研究科 人間健康科学系専攻)

【目的】人工呼吸器離脱アセスメントツールであるBWAPの日本語版を作成し、臨床で人工呼吸器管理に携わるICU看護師に向けて日本語版BWAPを学習するe-learning教材を作成し試用することで、e-learning教材の教育効果を検討することを目的とした。【方法】集中治療領域に1年以上勤務するクリニカルラダー2-3(臨床経験3-9年程度)の看護師を対象とし、日本語版BWAPを学習するe-learning教材を実施する介入群(1回実施群と3回実施群の2群を含む)と、実施しない対照群に割り付けた。オンライン上で模擬患者に対しBWAP26項目をアセスメントする事前テスト、事後テストを実施し、教育効果を検討した。primary outcomeは「事前・事後テスト合計得点の変化量」の差とした。なお本研究は、聖路加国際大学研究倫理審査委員会の承認を得て行った。【結果】研究参加基準を満たし、研究参加の同意が得られた48名をリクルートした。事後テストまで回答が得られた32名(1回介入群6名、3回介入群13名、対照群13名)を分析対象とした(脱落率33.3%)。事前・事後テスト合計得点変化量を2群間で比較した結果、有意差が認められた(p=0.0191)。3群間で比較した結果は対照群と3回介入群で有意差が認められた(p=0.0265)。ただし、介入群の中で実際に介入回数を守れなかった対象者が19名中10名(53%)おり、ITT解析では真の教育効果を測ることが難しい状況であった。実際の介入回数に応じて再割り付けを行い、事前・事後テスト合計得点変化量を比較した結果、有意な教育効果が認められた(p=0.00807)。臨床経験2-5年と6-9年に分けて事前・事後テスト合計得点変化量を比較した結果、臨床経験2-5年で有意差が認められた(p=0.0148)。また、BWAPを「ウィーニングが困難な患者に対してウィーニングの判断基準にするため」「医療者間の共通言語として」「教育ツールとして」使用したいというニーズが明らかになり、臨床応用のための改善点は「職場環境」「知識の普及」「BWAPの改善」「訓練」が挙げられた。【結論】e-learningによる介入により教育効果が認められ、特に臨床経験年数が短い対象者に有効であった。今後は、BWAPの項目内容を検討することに加え、教育ツールとして、または施設で使用されているプロトコルと併用しながら使用できる臨床応用方法を検討する必要性が示唆された。