第46回日本集中治療医学会学術集会

講演情報

一般演題(口演)

教育

[O113] 一般演題・口演113
教育03

2019年3月2日(土) 10:15 〜 11:05 第20会場 (グランドプリンスホテル京都B2F ゴールドルーム)

座長:山内 英樹(国際医療福祉大学成田看護学部)

[O113-1] 臨床工学技士による研修医を対象とした人工呼吸器安全使用に関する勉強会への取り組み

椋本 匡俊1, 山田 知輝2, 真住居 美和1, 橘 慎也1, 浜津 宏太1, 濱田 直弥1, 大畑 雄咲1, 加藤 大三1, 水島 靖明2, 高橋 俊樹3 (1.大阪警察病院 臨床工学科, 2.大阪警察病院 救命救急科, 3.大阪警察病院 救急手術部門)

【背景及び目的】生命維持管理装置に含まれる人工呼吸器については、その使用頻度や緊急度が高く初期研修医もその操作方法を日頃より理解し、可及的早期に習熟する必要がある。しかし、研修医は日々様々な研修に時間を割かなければならず、集中治療部門のローテーション以外で、人工呼吸器に関する実地研修する機会が少ないのが現状である。そこで、研修医が人工呼吸器に少しでも早く習熟できるように、今回、プライマリケア講義の一部である人工呼吸器の安全使用に関して、臨床工学技士による教育・研修への取り組みを行った。【対象及び方法】対象は、当院初期研修医(R1)16名である。病院のシステムに概ね慣れて来る2018年8月に研修医の勤務状況に応じて同一内容60分の講義を2回行った。講義内容は、1.人工呼吸器の回路組立て、2.人工呼吸器の使用方法、3.人工呼吸器の換気モードや設定方法、であり、講義の成果を確認するために、選択式と自由記載欄のある事後アンケートも行った。【結果】2回行った講義の参加人数は8名ずつであり、初期研修医(R1)全員の参加が得られた。講義内容と時間については、概ね妥当との回答で、講義内容に関する理解度は高く、研修成果は得られているように思われた。時間的制限により、3.人工呼吸器の換気モードや設定方法、については、十分な時間が取れなかったので、資料を配布し自己学習を行うようにした。その他、補助循環装置の管理方法や人工呼吸器の病態に合わせた設定方法についての研修希望があった。【結論】研修時期や参加しやすい講義時間設定などを配慮した結果、初期研修医(R1)全員の参加が得られ、アンケート結果も概ね好評であったが、アンケート結果により今後の課題も明らかになった。今回の臨床工学技士による研修医への教育・研修の取り組みにより、受講する側の研修医のみならず、講義する側にも医療安全教育の全体的な底上げにつながる意識の向上が見られた。今後、生命維持管理装置への操作習熟や安全性向上のための教育体制を構築していきたい。