第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(口演)

教育

[O113] 一般演題・口演113
教育03

Sat. Mar 2, 2019 10:15 AM - 11:05 AM 第20会場 (グランドプリンスホテル京都B2F ゴールドルーム)

座長:山内 英樹(国際医療福祉大学成田看護学部)

[O113-3] 輸液管理から見える看護師の意識と現実との乖離:今後の教育への課題

松前 友美1, 浅野 まどか1, 土岐 祐介2, 太田 卓尚3, 井上 洋3, 伊藤 淳3 (1.仙台厚生病院 集中治療センター, 2.仙台厚生病院循環器内科, 3.仙台厚生病院集中治療センター/麻酔科)

背景:当院では心臓血管外科術後ICU入室患者における輸液投与は、医師の包括的な指示の下、看護師が投与量/速度を調節している。しかしながら看護師間でその速度、総投与量にばらつきが生じている。目的:輸液投与という因子から看護師間のケアのばらつきの実態、原因を調査し、課題を明らかにする。方法:当院ICU看護師で、心臓血管外科術直後入室患者を担当した経験のある19人にアンケート調査を行った。輸液投与に影響を与えると思われる患者側/看護師側因子、看護師間のばらつきの原因等に関して経験年数による相関関係も調査した。次に血行動態のみ記載した模擬患者を提示し、輸液管理の方針を調査した。結果:調査対象全員から回答を得た。輸液投与で悩む事は投与速度との回答が42%と最も多く、その原因としては知識不足、経験不足との回答が各58%と最も多かった。輸液管理に影響を与える看護師側の因子としては、アセスメント力と知識との回答が95%と最も多く、次いで経験症例数(89%)、ICU経験年数(68%)との結果を得た。輸液投与上観察する項目としてはヘモグロビン値、術前からの体重増加、動脈圧、肺動脈圧、中心静脈圧、心係数が90%以上の回答を得た一方、腋窩温、末梢の色調、浮腫の有無との回答はそれぞれ40%未満に留まった。各回答に関して経験年数との相関関係は認められなかった。次に、模擬患者5例中、各選択肢の割合が最も多いもので42%から95%と全員が一致した回答はなく、また経験年数との相関関係も認められなかった。結論:輸液管理上看護師に必要な要素はアセスメント力と知識の回答が最も多かったが、実際に重視しているのは動脈圧等の数値であった。その反面、数値のみの模擬患者の管理方針にもばらつきが生じており、数値に頼る管理での限界が示された。次に経験年数、経験症例数との回答が多かったが、経験年数と各設問の回答に相関関係は認められなかった。 今後は経験、数値に重点を置きすぎない、各看護師のアセスメント力/知識を伸ばす教育が必要と思われた。