第46回日本集中治療医学会学術集会

Presentation information

一般演題(口演)

教育

[O114] 一般演題・口演114
教育04

Sat. Mar 2, 2019 11:05 AM - 11:45 AM 第20会場 (グランドプリンスホテル京都B2F ゴールドルーム)

座長:伊藤 真理(川崎医科大学総合医療センター)

[O114-3] ICUにおける新卒看護師指導ガイドラインの現状と課題

林 智子, 原 由香, 玉木 恵子 (島根大学 看護部 集中治療部)

 ICUにおける新卒看護師指導ガイドラインの現状と課題【背景】医療の進歩に伴い多様化する医療現場において、ICUに配属された新卒看護師は自分の臨床判断やスキルに自信が持てず、患者の状態を悪化させるのではないかという不安に陥りやすい。そのため段階的に教育していく必要がある。また昨今、ワークライフバランスが推奨され、時間内で指導・教育を実施し、看護の質も担保することが求められる。【目的】A病院のICUでは新卒看護師に対する指導は、独自で作成した新卒看護師指導ガイドライン(以下、ガイドライン)を基に1年間指導を行い、新卒看護師への評価は、3ヶ月毎に行っている。しかし、このガイドラインは8年前に作成しその後評価がされていない。そこで本研究の目的は、ガイドラインに沿った指導の現状と課題を明らかにし、今後のガイドライン改善のための示唆を得ることとした。【方法】1.研究対象:現在ICU所属の看護師40名および1年半以内にICUから他部署移動した看護師3名の合計43名とした。2.調査方法:無記名・自己記入式質問紙調査。3.質問内容:ガイドラインの認知については二者択一、活用状況、目標の必要性・達成可能性、指導内容等については7段階(1:全く思わない、2:思わない、3:あまり思わない、4:どちらとも言えない、5:やや思う、6:かなりそう思う、7:とてもそう思う)で回答を得た。また、回答に対する理由やガイドラインに関する意見を記載してもらった。4.分析方法:点数化し各項目の平均点を算出した。自由記載は類似する内容に分類した。5.倫理的配慮:研究参加への自由意志の尊重、匿名性の確保、データの管理等について書 面にて説明した。所属部署の倫理委員会の承認を得て実施した。【結果】  回収率79.1%(34名)、有効回答率88.2%であった。ガイドラインの存在を知っている看護師は76%であった。ガイドラインは役立っているかでは平均5.0点。理由は指導の目安となるが11名だった。振り返りの際にガイドラインを活用しているかの問いは平均4.2点で、理由は参考にするが実際とのずれがあり活用しにくいが4名だった。全体の目標は達成可能かの問いは平均4.5点。理由は目標設定が高いが11名だった。ガイドラインの内容項目は達成可能かの問いは平均4.6点。理由は達成不可能な目標が含まれているが13名だった。【結論】ガイドラインは新卒看護師の指導において必要であり、指導の目安となっていたが、振り返りの際に十分に活用できるものでなかった。課題として、達成可能な目標設定や指導内容の検討があがった。