[O121-5] 重症呼吸不全患者に対する早期腹臥位療法の振り返り
重症呼吸不全患者に対する早期腹臥位療法の振り返りReflection of early prone position therapy for severe respiratory failure patients1)浦添総合病院看護部ICU 2)浦添総合病院 救急集中治療部1)伊智保宏 1)古謝真紀 1)樋口順平 2)那須道高【はじめに】重症呼吸不全患者に対する腹臥位療法に関する有効なエビデンスは確立されていないが酸素化の改善に関する報告が数多くされており、当院では仰臥位または側臥位では酸素化が保てない重症呼吸不全患者に対して慎重に適応を見極めながら腹臥位療法を実施している。しかし、腹臥位の方法論が確立されていない現状もあり数多くの合併症のリスクがある。【目的】腹臥位療法を実施しそれに伴う合併症から問題点の抽出を行うことで今後の腹臥位療法を安全・安楽に行えるようにする。【方法】長時間腹臥位療法を行った患者のカルテレビューを行い腹臥位療法に伴う合併症とその原因を抽出し、それに対して行った看護介入の考察を行う。【結果】患者Aは肺炎を契機に呼吸不全となり、腹臥位療法実施目的で当院ICUへ入室。入室当日から腹臥位療法を実施した。腹臥位療法の実施に伴い酸素化は改善し呼吸状態の改善を認めた。しかし、腹臥位管理中に肩関.0臼、口腔内潰瘍形成といった合併症を認めた。また水様便が持続していたため腹臥位管理をするうえで直腸用カテーテルを用いてのドレナージを選択するに至った。その後は新たな合併症は引き起こさず経過し13日間の腹臥位療法を終了、ICUを退床。106日の入院期間を経てリハビリ転院された。【考察】腹臥位療法は酸素化改善に有用とされるが、手技や管理の面での方法論が確立されていないため種々の合併症を起こすリスクを抱えている。そのため、看護師はリスク管理を念頭に置きながら安全・安楽な体位管理の実施を行わなければいけない。また、腹臥位という特殊な体位における排便コントロールの重要性を認識し管理を行っていく事が必要である。【結語】腹臥位療法を実施するにあたり合併症の予防は管理において重要である。対象に適した介入の実施とその評価が必要になる。