第46回日本集中治療医学会学術集会

講演情報

一般演題(口演)

患者管理

[O121] 一般演題・口演121
患者管理06

2019年3月2日(土) 10:35 〜 11:35 第21会場 (グランドプリンスホテル京都B1F ローズルーム)

座長:石井 宣大(東京慈恵会医科大学葛飾医療センター臨床工学部)

[O121-7] 地震直後の大規模停電の経験

陶山 真一1, 小林 巌2 (1.旭川赤十字病院 医療技術部 第一臨床工学課, 2.旭川赤十字病院 麻酔科)

北海道胆振地方中東部を震源として発生した北海道胆振東部地震において最大震度7が観測され、当院においても震度4の強い揺れを初めて経験した。地震発生直後より臨床工学部門当直者は待機者を呼び出しICUの生命維持管理装置から動作、および患者状態の確認を開始した。地震発生から18分後、電力需要が発電量を上回ったことによる停電が発生し、北海道内全域約295万戸での大規模停電となった。当院では停電発生後、すぐに自家発電装置が稼働し、電力供給されたので通常の停電マニュアルに沿った対応を実施した。当院では電気事業法において義務付けられている自家発電装置の電気設備保守点検にあわせて実際の停電を想定した訓練を毎年実施しており、深夜帯の人員が少ない状態であったが大きな混乱もなく停電対応は問題なく実施された。臨床工学部門では自主参集職員が加わり当直者を統括に災害対応モードにて医療機器、設備の点検を実施した。その後、電力供給再開の目処が立たないことから災害レベル宣言が発令され病院全体が災害対応モードとなった。当院の空冷式自家発電装置は備蓄の重油で約4日間の稼働が可能であり電源供給は十分に対応できる状態であり、在宅人工呼吸療法患者、在宅酸素療法患者、自家発電装置を設置していない透析施設から透析患者の受け入れ対応をおこなった。今回は地震を契機とした電力喪失のみであったが、電力に加え、医療ガス、水が途絶した場合の対応を再検討する必要があると考える。今回は地震直後の大規模停電を経験したことで教訓となった当院における災害対応の現状と今後の課題について報告する。