第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(口演)

リハビリテーション

[O125] 一般演題・口演125
リハビリテーション11

Sat. Mar 2, 2019 3:50 PM - 4:40 PM 第21会場 (グランドプリンスホテル京都B1F ローズルーム)

座長:丸谷 幸子(名古屋市立大学病院 ICU)

[O125-1] 心大血管術後の心臓リハビリテーションの実際

山本 康代1, 林田 恭子2, 松下 努2 (1.国家公務員共済組合連合会舞鶴共済病院心臓リハビリテーション室, 2.国家公務員共済組合連合会 舞鶴共済病院 心臓血管外科)

【背景】近年、集中治療域での早期離床が重要視されている。開心術後は血行動態の安定と平行し速やかに離床を進め、各種の合併症を防ぎ早期にADLを再獲得する必要がある。A病院では、早期の立位・歩行訓練を重視しており、血行動態が安定していれば人工呼吸器管理中から、立位訓練・呼吸訓練を行うなど早期介入を実践している。【目的】A病院で実践している開心術後の急性期リハビリテーション(以下PR)において、抜管からPR介入までの時間が、その後のPRの進行にどのような影響を与えているかを調査する事を目的とした。【方法】2017年7月から2018年6月までにA病院で開心術を施行した92例(平均年齢72.3±9.1歳)を対象とした。術様式の内訳は、緊急手術14例。準緊急手術3例。待機手術75例。除外基準としては、術後補助循環装置装着例、追加処置を要した創部重症感染例、術前ADLが6分間歩行に満たない症例、計15例であった。介入開始時間が抜管から12時間以下(A群)と13時間以上(B群)の2群に分け、抜管から立位・歩行までに有した時間、100m・6分間歩行までに有した日数・ICU滞在日数・在院日数を調査した。但し、挿管中からPRに介入した症例についても、抜管後の初回介入時間を用いた。統計学的検定はMann-Whitey検定を用いた。ρ<0.05を有意差ありとした。【結果】A群62例、B群15例、平均年齢は74±7.3歳vs.67±8.7歳。立位・歩行までに有した時間、100m・6分間歩行までに有した日数、ICU滞在日数において、A群で有意に短縮していた(立位開始時間:A群6.9±4.9vs.B群19±8,ρ<0.01、歩行開始時間:A群17±10.4vs.37±20,ρ<0.01、100m開始日:A群2.7±2.1vs.B群4.7±3.5,ρ<0.01、ICU滞在日数:A群2.2±1.4vs.B群2.8±1.1,ρ<0.01、6分間歩行開始日:A群4.4±3.1vs.B群6.6±4.4,ρ<0.01)。手術帰室から抜管までに有した時間、在院日数において有意差は無かった(帰室から抜管までに有した時間:A群15.9±31.4vs.B群34±39,ρ=0.11、在院日数:A群20±7.7vs.B群23±9.9,ρ=0.68)。【結論】早期介入により、開心術後の歩行能力を再獲得する日数が短縮した。