第46回日本集中治療医学会学術集会

講演情報

一般演題(口演)

リハビリテーション

[O129] 一般演題・口演129
リハビリテーション13

2019年3月2日(土) 10:35 〜 11:35 第22会場 (グランドプリンスホテル京都1F ロイヤルルーム)

座長:竹田 健太(兵庫医科大学集中治療医学科)

[O129-2] ICU患者における上下肢筋萎縮の定性的評価:超音波画像のテクスチャ解析

白神 壮洋1, 中西 信人3, 野寺 裕之4, 上野 義豊2, 板垣 大雅2, 中瀧 恵実子2, 大藤 純3 (1.徳島大学 医学部 医学科, 2.徳島大学 救急集中治療部, 3.徳島大学病院ER・災害医療診療部, 4.徳島大学病院 臨床神経科学分野)

【背景】ICUに入室する重症患者の筋萎縮の評価として、超音波による筋肉量の測定が多いが、テクスチャ解析による筋萎縮の定性的な評価の報告は少ない。本研究では、超音波画像のテクスチャ解析が筋萎縮の評価に有用であるか検討した。【方法】当院ICUに入室し、48時間以上の人工呼吸管理かつ5日以上のICU滞在を要した患者を対象とした。超音波を用い、入室1日目、5日目に上腕二頭筋および大腿直筋の筋断面積を測定した。さらに、それらの超音波画像をLife Xソフトを用いてテクスチャ解析を行った。テクスチャ解析の評価法として、Neighbourhood grey-level dependence matrix (NGLDM), Grey-level zone length matrix (GLZLM), Grey-level co-occurrence matrix (GLCM), Grey-level run length matrix (GLRLM)を用い、それぞれの評価法についてCoarseness、Contrast、Homogeneityなどについて評価を行った。【結果】対象患者は42人(男性25人、女性17人)、平均年齢は68歳、APACHE IIスコアの中央値は24、ICU滞在日数の中央値は11日であった。上腕筋断面積は1日目と比較して5日目には、10.6% (95% CI, 7.5%-13.6%)減少した(p<0.01)。大腿筋断面積は、10.9 (95% CI, 7.4%-14.4%)減少した(p<0.01)。テクスチャ解析では、上腕はNGLDM coarseness 0.0048±xx vs. 0.0053±xx, p=0.04、GLZLM long-zone high grey-level emphasis 4087±xx vs. 6509±xx, p=0.03に有意差があり、大腿は NGLDM coarseness 0.0052±xx vs. 0.0046±xx, p=0.04、NGLDM contrast 0.081±xx vs. 0.094±xx, p=0.04、GLCM homogeneity 0.410±xx vs. 0.396±xx, p=0.03に有意差があった。【結語】テクスチャ解析において、NGLDM coarseness のみ上下肢ともに有意差を認めた。上下肢の筋萎縮の定性的評価にNGLDM coarsenessは有用である可能性がある。