第46回日本集中治療医学会学術集会

講演情報

一般演題(口演)

鎮痛・鎮静・せん妄 研究

[O130] 一般演題・口演130
鎮痛・鎮静・せん妄 研究04

2019年3月2日(土) 14:00 〜 14:50 第22会場 (グランドプリンスホテル京都1F ロイヤルルーム)

座長:福田 友秀(東京都済生会中央病院)

[O130-5] CCUでのJ-PAD導入3年目の評価~Quality Indicatorを用いて~

鈴木 規予, 細井 沙耶香 ((株)日立製作所 日立総合病院 看護局)

【背景】2014年に日本集中治療医学会から、J-PADガイドラインが発表された。当院CCUでも、2015年にJ-PADを導入した。J-PADの有効性の有無を、QI(Quality Indicator)を用いて評価する。【目的】J-PADの有効性の評価を、QIを用いて行う。【方法】死亡患者を除くCCUで鎮痛・鎮静管理を行った患者を対象とし、後ろ向き観察研究を行った。J-PAD導入前の2015年4~6月と、導入後の2018年4~6月の群に分け、各30例を無作為抽出した。J-PADに関するQIの定義は標準化されておらず、導入前後で比較可能なものを設定した。『過程カテゴリ』(1)安全固定帯の使用の有無(2)安全固定帯の使用日数『結果カテゴリ』(3)RASS平均値(4)ライン類の計画外抜去。また、QIは百分率で示すことが多いが、統計処理のため数値のままとした。各群間における有意差の有無を比較し、p<0.05をもって有意差ありとした。【結果】(1)安全固定帯使用の有無は、導入前は使用有り16件、導入後は12件であり、P=0.301で有意差は無かった。(2)安全固定帯の使用日数は導入前平均値4.867(SD=6.616)、導入後平均値0.700(SD=0.952)、P=0.005で有意差ありとなった。(3)RASS平均値は導入前-1.933(SD=1.496)、導入後は-0.950(SD=1.101)であり、P=0.010で有意差ありとなった。(4)ライン類の計画外抜去では、導入前の抜去件数は3件、導入後は2件であり、P=0.643で有意差は無かった。群間の重症度比較として、APACHE II scoreは導入前平均値17.900(SD=7.420)、導入後平均値19.533(SD=8.278)で有意差は無かった。【結論】J-PAD導入後、RASS平均値は0に近似し、安全固定帯の使用日数は短縮した。QIにおける『過程』・『結果』のカテゴリの一部が改善し、J-PAD導入は医療の質向上に有効である。