第46回日本集中治療医学会学術集会

講演情報

一般演題(口演)

血液浄化 研究

[O132] 一般演題・口演132
血液浄化 研究02

2019年3月2日(土) 15:40 〜 16:20 第22会場 (グランドプリンスホテル京都1F ロイヤルルーム)

座長:金井 尚之(東京警察病院救急科)

[O132-1] 超高齢者の敗血症に対するAN69ST膜を使用した持続的腎代替療法の有用性

安達 普至, 竪 良太, 鶴 昌太, 平松 俊紀, 小西 良一, 鮎川 勝彦 (飯塚病院 集中治療部)

【背景】AN69ST膜を使用した持続的腎代替療法(以下、CRRT-AN69ST)は、急性腎不全に加え、重症敗血症および敗血症性ショックに対して2014年7月1日に保険収載され、その有用性を示す報告が散見される。【目的】90歳以上の超高齢者の敗血症患者に対するCRRT-AN69STの有用性を検討すること。【方法】2015年1月から2018年6月までに当ICUに入室しCRRT-AN69STを施行した超高齢者の敗血症患者を対象に、その有用性を診療録やデータベースを使って遡及的に検討した。さらに生存退院群と院内死亡群の2群に分け比較検討した。【結果】期間中に当ICUに2316名が入室し、対象となったのは22名であった。年齢 [中央値] 92歳、男性5名(22.7%)、APACHE II [中央値]26.5、人工呼吸14名(63.7%)、人工呼吸期間[中央値]3日であった。IABP、ECMOを使用した症例は無く、PMX-HPを3名(13.6%)に施行した。検出した菌は、E coli 6名、Klebsiella pneumoniae 3名の順に多かった。APACHE IIの予測死亡率[中央値]は74.5%であったが、ICU内死亡3名(13.6%)、院内死亡8名(36.4%)であった。生存群14名と死亡群8名の2群間の比較では、気管挿管(4名 vs 7名;p=0.024)と人工呼吸期間[中央値] (1日 vs 7日;p=0.049)に有意差があった。なお、全症例において重篤な有害事象は認めなかった。【結語】90歳以上の超高齢者の敗血症治療にCRRT-AN69STは安全に施行でき有効な可能性があるが、更なる研究が必要である。