第46回日本集中治療医学会学術集会

講演情報

一般演題(口演)

感染・敗血症 症例

[O146] 一般演題・口演146
感染・敗血症 症例07

2019年3月3日(日) 09:25 〜 10:05 第13会場 (国立京都国際会館1F Room F)

座長:丹羽 英智(弘前大学医学部附属病院 麻酔科)

[O146-3] 感染性動脈瘤に対する血管内治療

松本 学, 岩瀬 史明, 井上 潤一, 宮崎 善史, 河野 陽介, 柳澤 政彦, 笹本 将継, 萩原 一樹, 跡部 かおり, 川島 佑太 (山梨県立中央病院)

【背景】感染性動脈瘤の治療は感染制御と動脈瘤の破裂予防が重要である. 動脈瘤破裂の予防として, 感染源除去の役割から外科的治療が理想的と考えられて来たが, 近年では血管内治療での治療成功例が報告されてきている. 当施設においては破裂感染性動脈瘤に対して血管内治療による止血と抗菌薬治療による集中治療を第一選択として対応している.【目的】感染性動脈瘤の血管内治療の有効性を明らかとする【方法】当施設において2014年から2018年に血管内治療を行った破裂感染性動脈瘤の治療方法と転帰について評価を行った.【結果】6症例に対して治療を施行した. 対象血管は内腸骨動脈2例, 大腿動脈2例, 上腸間膜動脈1例, 内頚動脈1例であった. 3症例は手術関連感染であり, 3例は局所及び全身感染症に関連する動脈瘤形成であった. 3症例で順行性血流を温存したCovered stentによる修復を行い, 3症例はFeeder embolizationもしくはEndovascular trappingを施行した. 止血には全例成功し, 手技関連合併症は経験しなかった. 合併症による急性期死亡1症例を除いた5症例全てにおいて術後抗菌薬投与で感染制御に成功した.【考察】感染性動脈瘤の治療において異物を残存させる血管内治療の功罪には議論の余地があるが, 緊急破裂例において低侵襲性/迅速性から有効である. また適切な抗菌薬治療と組み合わせることにより感染制御においても治癒に成功することができた. 感染性動脈瘤を有する症例は全身的にも脆弱な場合が多いと予想され, 血管内治療は第一選択として理想的と考えている.