[O149-6] 当院でのRRS導入効果の検討
【背景】近年、Rapid Response System(以下、RRS)の導入が、本邦の医療機関でも進められている。RRSの目的としては、院内心停止の発生率の低下、心停止例の死亡率の低下などが挙げられる。当院においても、従来より運用されている急変時全館呼び出しコールであるコードブルーに加え、2017年2月よりRRSが導入された。しかしRRS導入後のアウトカムについては、いまだ本邦では十分には検討されておらず、その報告も少ない。
【目的】当院でのRRS導入効果の検討
【方法】Retrospective Observational Historical Comparison Study。予期せぬ死亡を主要アウトカムとし、RRS導入前の2016年2月1日から2017年1月31日(以下、前期群)と、導入後の2017年2月1日から2018年1月31日(以下、後期群)とで比較検討を行った。
【結果】全入院患者は前期群15355人、後期群15563人、全死亡数は前期群544人、後期群546人であった。予期せぬ死亡は、前期群で27人に対し、後期群で 28人であった。予期せぬ死亡を目的変数とし、RRS、年齢、性別、緊急入院、診断臓器別分類を説明変数としてロジスティック回帰分析を行ったところ、有意差はなかったもののRRS(Odds Ratio=0.977, P=0.935)、年齢(Odds Ratio=0.988, P=0.214)、緊急入院(Odds Ratio=0.466, P=0.094)、呼吸器疾患(Odds Ratio=0.674, P=0.555)が予期せぬ死亡を減少させる傾向を認め、性別(Odds Ratio=1.25, P=0.441)、脳神経疾患(Odds Ratio=1.37, P=0.632)、心大血管疾患(Odds Ratio=2.96, P=0.068)、腎・泌尿器疾患(Odds Ratio=1.74, P=0.453)が予期せぬ死亡を増加させる傾向を認めた。なおコードブルーの発生数は前期群で34件、後期群で29件であった。
【結論】当院ではRRS導入後、コードブルーの発生件数が減少した。統計学的な有意差は確認できなかったが、RRSは予期せぬ死亡の減少に寄与する傾向が、弱いながらも認められた。RRSの導入効果については、多施設研究による更なる検証が必要である。
【目的】当院でのRRS導入効果の検討
【方法】Retrospective Observational Historical Comparison Study。予期せぬ死亡を主要アウトカムとし、RRS導入前の2016年2月1日から2017年1月31日(以下、前期群)と、導入後の2017年2月1日から2018年1月31日(以下、後期群)とで比較検討を行った。
【結果】全入院患者は前期群15355人、後期群15563人、全死亡数は前期群544人、後期群546人であった。予期せぬ死亡は、前期群で27人に対し、後期群で 28人であった。予期せぬ死亡を目的変数とし、RRS、年齢、性別、緊急入院、診断臓器別分類を説明変数としてロジスティック回帰分析を行ったところ、有意差はなかったもののRRS(Odds Ratio=0.977, P=0.935)、年齢(Odds Ratio=0.988, P=0.214)、緊急入院(Odds Ratio=0.466, P=0.094)、呼吸器疾患(Odds Ratio=0.674, P=0.555)が予期せぬ死亡を減少させる傾向を認め、性別(Odds Ratio=1.25, P=0.441)、脳神経疾患(Odds Ratio=1.37, P=0.632)、心大血管疾患(Odds Ratio=2.96, P=0.068)、腎・泌尿器疾患(Odds Ratio=1.74, P=0.453)が予期せぬ死亡を増加させる傾向を認めた。なおコードブルーの発生数は前期群で34件、後期群で29件であった。
【結論】当院ではRRS導入後、コードブルーの発生件数が減少した。統計学的な有意差は確認できなかったが、RRSは予期せぬ死亡の減少に寄与する傾向が、弱いながらも認められた。RRSの導入効果については、多施設研究による更なる検証が必要である。