第46回日本集中治療医学会学術集会

講演情報

一般演題(口演)

RRS

[O151] 一般演題・口演151
RRS04

2019年3月3日(日) 10:35 〜 11:35 第14会場 (国立京都国際会館1F Room G)

座長:大谷 尚也(北里大学病院集中治療センター RST・RRT室)

[O151-2] 院内急変でICUへ入室した患者にNEWSスコアを用いた事後検証

大久保 雅美1, 菊池 崇史1, 内田 里実1, 田中 由基子2, 河野 元嗣2 (1.公益財団法人 筑波メディカルセンター病院 看護部, 2.公益財団法人 筑波メディカルセンター病院 救急診療科)

【背景】院内の予期せぬ心停止を減少させるためRapid response system(RRS)が導入され、急変の前兆を察知し、早期から対応する取り組みがなされている。急変は前兆の察知と早期の対応で未然に防げるともいわれており、看護師による患者の異常の気付きや前兆の察知が患者の経過を左右させるといえる。しかし、バイタルサインの異常や何かおかしいと変化に気付いても、全ての症例に対しそれが前兆であると認識するのは難しいこともある。A病院においても、異常の気づきはできても、それが急変する前兆とまではつなげられず、急変となるケースがあり、この異常をどう急変の前兆としてつなげるか、バイタルサインから急変する危険度を評価し早期から対応することが課題である。急変の危険度を評価するために有用な早期警告スコア(National Early Warning Score:NEWS)を用いて、5点以上の患者に早期の対応で急変が減少したという報告もあり、NEWSの活用は有効であると考えられた。今後NEWSを活用し早期対応につなげるために、急変した患者がいつ頃から5点以上になっていたかNEWSを用いてその実態を調査した。【目的】院内急変でICUに入室した患者にNEWSを用いて事後検証し今後の課題を明らかにする。【方法】調査期間:2016年10月から2018年7月対象:急変してICUへ入室した患者71名、手術や検査等で状態が悪化した患者は除外した。方法:急変してICUへ入室した患者の5日前からのバイタルサインをNEWSでスコアリングした。呼吸数・SpO2・酸素投与、心拍数・収縮期血圧・意識状態・体温をそれぞれ0~3点とし、合計点数の中央値を算出し時間の経過をみた。統計はt検定を用い、p<0.05を有意とした。倫理的配慮は倫理委員会の承認を得た。【結果】 平均年齢74.2歳(±15.8)、男性47名、女性24名で、入室理由の内訳として上位に敗血症、心不全があげられた。死亡した患者は22名で、そうでない患者は49名であった。 NEWSで5点以上になったのは10~12時間前からであり、9~6時間前は6点、3~5時間前と1~2時間前は7点であった。死亡した患者とそうでない患者にスコアの点数に大きな差はないが、死亡した患者の方がそうでない患者より3時間前でスコアが高かった。(P=0.02)【結論】ICU入室者ではNEWSが12時間前ごろより5点を上回っており、NEWSが5点を上回った症例では早期対応を必要としている可能性が高いことがわかった。