[O152-4] Rapid Response System起動患者への治療介入と予後
【背景】本邦ではRapid Response System(RRS)のアウトカムに関する報告はまだ少ない。当施設ではRRSの予期せぬ死亡への減少効果について報告してきた。今回の調査は、RRS起動の現場で選択された治療介入と予後との関係を明らかにすることを目的とした。【当院のRRS】Single parameterのコール基準、集中治療医、看護師などで構成されるチームが常時応需。【目的】 <仮説> 「RRS起動現場における治療介入の内容は、1ヶ月予後に影響する」を明らかにする。【方法】<研究デザイン> RRSデータベースを用いた後ろ向き研究。対象: 2014年05月~2018年07月までのRRS起動症例2120例のうち予後未確定、ICU、外来、検査処置中の要請、DNARなどを除外した881例。<調査項目> RRS要請後1日、2日、3日、1週、2週、1ヶ月の生存数、死亡数など。治療介入としてはICU入室の有無などとし、現場重症度評価Modified Early Warning Score (MEWS)で層別化を行って死亡率への影響を検討した。<主要評価アウトカム>RRS起動後1ヶ月死亡。<統計処理> Mann-WhitneyのU検定またはχ2検定を用いp<0.05を有意差ありとした。【結果】 1ヶ月死亡: 全体で解析したICU入室群と非入室群との間に有意差は無かった。そこで症例をMEWS 4 (n=126), 5 (n=118), 6 (n=31)で層別化してICU入室の有無で比較すると、MEWS 5でICU入室27例と非入室91例との間に死亡率に有意差があった(84.0% vs 56.6%, p=0.014)。【結論】RRS起動時にMEWS 5であった場合は、ICU適応について十分に検討し、RRSとICUが連携することが重要である。