[O154] 一般演題・口演154
呼吸 研究06

[O154-1] トータル呼吸ケアシステムMediOx60の温湿度評価について

石高 拓也¹, 片瀬 葉月¹, 中島 義博¹, 江口 敬広¹, 大野 慶伍¹, 小泉 裕美², 佐々木 あゆみ², 梶原 吉春¹ (1.社会医療法人財団 大和会 東大和病院 臨床工学科, 2.社会医療法人財団 大和会 東大和病院 看護部)

【背景】
High Flow Nasal Canula（以下、HFNC）は様々な生理学的効果やQOLの維持、または快適性の向上など、HFNC使用のメリットは多く、適応となる疾患や病態は増加している。
HFNCを成功させるためには加温加湿管理が必須であり、不十分な管理で高流量のガスを供給してしまうと鼻粘膜の乾燥をきたし、患者の不快感が顕著となるため、適切な加温加湿管理が必要となる。
【目的】
パシフィックメディコ社製トータル呼吸ケアシステムMediOx60（以下、MediOx60）の加温加湿性能を評価したので報告する。
【方法】
同社のNIV汎用呼吸回路51003708を使用し、MediOx60の設定をFlow：50L/min、FiO2：0.21で開始してから30分後の患者口元温度、相対湿度、絶対湿度を温湿度計MAPHY+で計測した。さらにMediox60のモニタに表示されるチャンバ出口温度、患者口元温度、ヒータプレート温度を記録した。加温加湿設定は口元温度40℃固定で、加湿度は10段階のうちの2.4.6.8.10とし、各3回測定した。（ｎ=15）測定環境は平均24.7℃であった。
【結果】
加湿度表記（MAPHY+温度：相対湿度：絶対湿度）［MediOx60チャンバ出口温度、患者口元温度、ヒータプレート温度］を下記に平均値で表す。
2 （39.7：86.3：42.2）［37.6：40.2：80.3］
4 （39.9：87.5：44.3）［38.7：40.0：83.7］
6 （39.4：87.9：43.2）［38.7：40.1：83.0］
8 （39.0：89.2：43.0）［39.2：39.9：83.2］
10（40.0：85.8：43.8）［38.9：39.8：84.0］
【結論】
Flow：50L/minの条件下では全ての加湿度でチャンバ出口温度は37℃を維持できており、患者口元でも過不足ない温湿度であった。しかし、加湿度を変更しても供給される温湿度には大きく影響しない結果であったため、加湿度2でも十分加温加湿できる反面、それ以上の変更は不要であることが示唆された。
MediOx60の温湿度は加湿度によって規定されるが、温湿度は固定されてないため使用環境に左右される。今回はFlow：50L/min固定での測定であったため、 Flowの変化によって温湿度に影響してくるのか今後も検証が必要である。
【結語】
Flow：50L/minでの使用条件下では加湿度の変更は不要である。