[O155-4] 心臓血管外科術後における短時間経鼻高流量酸素療法の有効性の検討
【緒言】近年、経鼻高流量酸素(Nasal High Flow:NHF)療法による酸素化改善や入院日数短縮、死亡率低下などの有効性が報告されている。当院では2016年6月よりNHFの導入を行い、周術期抜管後呼吸不全予防のため積極的な使用を開始した。人工心肺使用手術後の患者に対し、NHFを24時間以上使用した研究はあるが、適正な使用時間は明らかとなっていない。今回、短時間(6時間)でのNHF使用の有効性を検討したので報告する。
【方法】2018年1月から8月の開心術症例を診療録からデータ抽出し、後方視的に分析した。また、緊急手術症例、補助循環装置の使用および一酸化窒素吸入療法を導入した症例は除外した。分析対象は、NHF使用群(N群)27例、NHF非使用群(O群)23例とした。N群は抜管直後からNHF(流量:40L、酸素濃度:50%)の使用を開始し、6時間継続した。O群は抜管直後からフェイスマスク6Lで6時間酸素投与を行った。評価項目は、動脈血酸素分圧(PaO2)、動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)、P/F比、呼吸回数とした。評価のタイミングは、抜管前(A)、抜管6時間後(B)とした。比較検討はウィルコクソン符号付順位和検定を用いた(p<0.05)。
【結果】PaO2(mmHg)はN群(A:147.8±36.1、B:179.1±57.0、p=0.0012)、O群(A:171.1±53.7、B:178.8±58.7、p=0.9515)だった。PaCO2(mmHg)はN群(A:38.9±3.6、B:37.2±2.9、p=0.0125)、O群(A:38.2±3.7、B:37.1±3.5、p=0.1080)だった。P/F比はN群(A:351.0±89.5、B:444.7±139.4、p=0.0047)、O群(A:408.7±132.9、B:447.0±146.7、p=0.3010)だった。呼吸回数(回/分)はN群(A:18.7±4.0、B:19.1±3.7、p=0.7809)、O群(A:17.8±5.2、B:19.1±3.8、p=0.2153)だった。
【結論】開心術後における抜管後酸素投与方法として、NHFの短時間使用は、PaO2増加、PaCO2減少、P/F比上昇の点において有効であった。
【方法】2018年1月から8月の開心術症例を診療録からデータ抽出し、後方視的に分析した。また、緊急手術症例、補助循環装置の使用および一酸化窒素吸入療法を導入した症例は除外した。分析対象は、NHF使用群(N群)27例、NHF非使用群(O群)23例とした。N群は抜管直後からNHF(流量:40L、酸素濃度:50%)の使用を開始し、6時間継続した。O群は抜管直後からフェイスマスク6Lで6時間酸素投与を行った。評価項目は、動脈血酸素分圧(PaO2)、動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)、P/F比、呼吸回数とした。評価のタイミングは、抜管前(A)、抜管6時間後(B)とした。比較検討はウィルコクソン符号付順位和検定を用いた(p<0.05)。
【結果】PaO2(mmHg)はN群(A:147.8±36.1、B:179.1±57.0、p=0.0012)、O群(A:171.1±53.7、B:178.8±58.7、p=0.9515)だった。PaCO2(mmHg)はN群(A:38.9±3.6、B:37.2±2.9、p=0.0125)、O群(A:38.2±3.7、B:37.1±3.5、p=0.1080)だった。P/F比はN群(A:351.0±89.5、B:444.7±139.4、p=0.0047)、O群(A:408.7±132.9、B:447.0±146.7、p=0.3010)だった。呼吸回数(回/分)はN群(A:18.7±4.0、B:19.1±3.7、p=0.7809)、O群(A:17.8±5.2、B:19.1±3.8、p=0.2153)だった。
【結論】開心術後における抜管後酸素投与方法として、NHFの短時間使用は、PaO2増加、PaCO2減少、P/F比上昇の点において有効であった。