第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(口演)

新生児・小児 研究・経験

[O160] 一般演題・口演160
新生児・小児 研究・経験01

Sun. Mar 3, 2019 8:45 AM - 9:25 AM 第17会場 (国立京都国際会館2F Room J)

座長:中田 諭(聖路加国際大学看護学研究科)

[O160-1] 日本の小児集中治療室および小児関連病棟における面会の実態調査

辻尾 有利子1, 工藤 理恵子1, 竹森 和美2, 渡部 恭子2, 藤田 佳代子2, 福島 富美子3, 木島 久仁子3 (1.京都府立医科大学附属病院 看護部 PICU, 2.大阪母子医療センター, 3.群馬県立小児医療センター)

【背景】集中治療室における家族支援の実践ガイドライン(American College of Critical Care Medicine, 2007)では、小児集中治療室(Pediatric Intensive Care Unit:PICU)での24時間面会を推奨している。日本では、集中治療室における面会の調査報告はあるが、PICUおよび関連病棟における面会の実態は明らかではない。【目的】日本のPICUと新生児集中治療室(Neonatal Intensive Care Unit:NICU)、小児病棟における面会の実態を明らかにし、面会のあり方を検討する。【方法】実態調査研究。日本小児総合医療施設協議会の会員施設(36施設)を対象に、会員施設の看護部長に独自に作成した自記式質問紙を郵送し、PICU、NICU、小児病棟の看護師長に記入を依頼した。【結果】PICU20施設、NICU19施設、小児病棟20施設、計59施設より有効回答を得た。24時間面会は、PICU6施設(30%)、NICU7施設(36.8%)、小児病棟6施設(30%)で実現され、子どもの権利擁護や家族生活に合わせた柔軟な対応が理由であった。24時間面会の施設も含め、PICU・NICU・小児病棟では、人数制限が17施設(85%)・17施設(89.5%)・13施設(65%)、人物制限が20施設(100%)・19施設(100%)・13施設(65%)で行われ、同胞面会を許可している施設はなく、条件付きで19施設(95%)・17施設(89.5%)・16施設(80%)が許可していた。これらの制限は、感染予防、安静、処置等を理由としていたが、終末期56施設(94.9%)、急変48施設(81.3%)、緊急入院32施設(54.2%)等で緩和されていた。家族支援として、宿泊場所50施設(84.7%)、入浴場所33施設(55.9%)、兄弟の一時保育18施設(30.5%)が整備され、臨床心理士42施設(71.1%)、家族支援室21施設(35.5%)が存在した。子どもの支援者として、保育士42施設(71.1%)、臨床心理士36施設(61%)、チャイルドライフスペシャリスト23施設(38.9%)が存在した。家族や子どものための環境が整っていると回答したのは、PICU3施設(15%)、NICU9施設(47.4%)、小児病棟10(50%)で、11施設(55%)、12施設(63.2%)、6施設(30%)が面会緩和に取り組みたいと回答した。【結論】日本ではPICUの30%が24時間面会を実現しており、NICUや小児病棟と遜色ない。多くの施設が、子どもや家族の状況に合わせて、面会を緩和しているが、感染予防や安静、処置という弊害だけでなく、ハード・ソフト面からの家族支援体制の構築も必要である。