第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(口演)

感染・敗血症 研究

[O23] 一般演題・口演23
感染・敗血症 研究02

Fri. Mar 1, 2019 4:20 PM - 5:10 PM 第8会場 (国立京都国際会館2F Room B-1)

座長:木下 浩作(日本大学医学部救急医学系救急集中治療医学分野)

[O23-1] 敗血症性ショック患者における少量ステロイドの投与の早期中止に関する予備研究

中島 強, 宮本 恭兵, 柴田 真未, 金子 政弘, 米満 尚史, 加藤 正哉 (和歌山県立医科大学 医学部 医学科)

<背景>敗血症性ショック患者に対する少量ステロイドの投与期間は過去の研究では主に7日間である。7日より早期に中止することの安全性と有用性は明らかではない。<目的>少量ステロイドの早期中止を評価する前向き試験の実現可能性について予備的検討をおこなう。<方法>デザイン:後ろ向き観察研究 期間:2017年1月-6月 対象:敗血症性ショックに対してヒドロコルチゾン200mg/day投与した15例。これらの患者ではノルアドレナリン(NAd)0.2γでも平均血圧65mmHgを維持できないためヒドロコルチゾン200mg/dayを開始し、NAdを最大量の半量以下に減量できればヒドロコルチゾンを減量、中止した。 Primary outcome:ショックの再燃(NAd0.1γ以上の増加)Secondary outcome:ステロイド投与期間<結果>患者の年齢は73±12.8歳、APACHEII23±5.1、SOFA10±3.4であった。感染源は腹膜炎7例、腸壊死3例、肺炎、膿胸2例、胆嚢炎2例、軟部組織1例、不明1例であった。NAd最高量は0.3γ(0.2-0.3)、アドレナリン使用は2/15例(13%)、バソプレシン使用4/15例(27%)。ショックの再燃は0/15例(0%)、ステロイド投与期間は3.5(2-4)日、院内死亡は4/15例(27%)であった。<結語>敗血症性ショックに対する少量ステロイドは7日より以前に中止してもショックの再燃は認めなかった。前向き試験での評価が可能であると考える。