[O26-1] early anti GBM diseaseに対してVV-ECMOを用いて救命した1例
【背景】抗GBM病は、糸球体基底膜に対する自己抗体である抗GBM抗体により、肺胞出血や急速進行性糸球体腎炎を来す疾患であり、抗GBM抗体の存在、または腎糸球体血管壁に沿ったIgGの線状沈着の検出により診断される。臨床的には、Goodpasture症候群と腎限局型抗GBM病に分けられていたが、近年腎機能障害が軽度の症例が存在することが明らかになり、early anti-GBM diseaseと呼ばれる。今回、我々はearly anti-GBM diseaseと考えられた1例を経験し、VV-ECMOを用いて救命したので報告する。【症例】34歳、女性。来院10日前、少量の血痰症状あり。来院日呼吸苦の症状があり近医受診、呼吸不全の状況とCXRで全肺野の透過性低下を認め、当院紹介。P/F ratio 75程度のsevere ARDSを認め、人工呼吸器管理となり、ステロイドパルスと感染治療を行っていたが、呼吸状態の増悪を認め、第3病日からVV-ECMOの導入となった。第4病日に抗GBM抗体が陽性となり、血漿交換とリツキシマブによる治療を施行、第12病日にVV-ECMO離脱となり、第18病日に人工呼吸器離脱となり、第45病日に独歩で退院となった。経過中に腎機能障害は認めなかった。【結論】本症例では、自己免疫疾患に伴う呼吸不全に対して、VV-ECMOの導入や血漿交換、免疫抑制療法を含む積極的な治療が奏功することが示唆された。