第46回日本集中治療医学会学術集会

講演情報

一般演題(口演)

補助循環 症例

[O26] 一般演題・口演26
補助循環 症例01

2019年3月1日(金) 09:00 〜 09:40 第9会場 (国立京都国際会館2F Room B-2)

座長:大山 慶介(かわぐち心臓呼吸器病院)

[O26-1] early anti GBM diseaseに対してVV-ECMOを用いて救命した1例

合田 祥悟1, 佐藤 朝之2, 松田 律史1, 民谷 健太郎1, 増井 伸高1, 瀧 健治1, 丸藤 哲1 (1.札幌東徳洲会病院 救急センター, 2.市立札幌病院 救命救急センター)

【背景】抗GBM病は、糸球体基底膜に対する自己抗体である抗GBM抗体により、肺胞出血や急速進行性糸球体腎炎を来す疾患であり、抗GBM抗体の存在、または腎糸球体血管壁に沿ったIgGの線状沈着の検出により診断される。臨床的には、Goodpasture症候群と腎限局型抗GBM病に分けられていたが、近年腎機能障害が軽度の症例が存在することが明らかになり、early anti-GBM diseaseと呼ばれる。今回、我々はearly anti-GBM diseaseと考えられた1例を経験し、VV-ECMOを用いて救命したので報告する。【症例】34歳、女性。来院10日前、少量の血痰症状あり。来院日呼吸苦の症状があり近医受診、呼吸不全の状況とCXRで全肺野の透過性低下を認め、当院紹介。P/F ratio 75程度のsevere ARDSを認め、人工呼吸器管理となり、ステロイドパルスと感染治療を行っていたが、呼吸状態の増悪を認め、第3病日からVV-ECMOの導入となった。第4病日に抗GBM抗体が陽性となり、血漿交換とリツキシマブによる治療を施行、第12病日にVV-ECMO離脱となり、第18病日に人工呼吸器離脱となり、第45病日に独歩で退院となった。経過中に腎機能障害は認めなかった。【結論】本症例では、自己免疫疾患に伴う呼吸不全に対して、VV-ECMOの導入や血漿交換、免疫抑制療法を含む積極的な治療が奏功することが示唆された。