第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(口演)

補助循環 研究

[O27] 一般演題・口演27
補助循環 研究01

Fri. Mar 1, 2019 9:40 AM - 10:30 AM 第9会場 (国立京都国際会館2F Room B-2)

座長:市場 晋吾(日本医科大学付属病院 外科系集中治療科)

[O27-1] 回路内圧から見るECMO管理の検討と提案

藤田 健亮1, 森 仁志3, 小橋 秀一2, 今 明秀3, 小林 誠人1 (1.公立豊岡病院 但馬救命救急センター, 2.八戸市立市民病院 臨床工学士, 3.八戸市立市民病院 救命救急センター)

【背景】長期管理が必要となるECMOにおいて、遠心ポンプの揚程や回路内陰圧を軽減するため、また十分なFlowを得るために、様々な工夫がなされてきた。 カニュレ径がこれらに与える影響は既知の事実であるが、回路径や落差による影響、適切な回路長に関しては十分に検証されていない。
【目的】回路の工夫や落差を用いた管理が、回路内圧、Flow、ポンプ揚程に与える影響を検証し、最適なECMO回路や回路の取り回しについて提案する。
【方法】SOLAS(脱血回路3/8inch,170cm)を基調として、ポンプ前圧(P1)、人工肺前後圧(P2,3)に加え、圧力監視装置を回路全体に等間隔で埋め込んだ回路を作成し使用した(Fig参照 )。回路内用液は33%wtグリセリン液を使用し、模擬血管は閉鎖回路を使用した。ベッドとポンプの落差、送脱血カニュレ径、回路径・回路長や余剰回路の取り回し方による、ポンプ揚程、Flow、回路内圧変化について検討した。
【結果】落差により回路内圧の陰圧は軽減されたが、ポンプ揚程やFlowは変化なかった。落差をつけた際には、回路内最大陰圧はポンプ直前ではなく、ベッド上(落差直前)にあり、P1と開きがあった。回路径はポンプ揚程に影響し、ベッド上での回路長は、長いほど回路内圧が陰圧になった。 (Fig参照)
【結語】十分な太さの脱血カニュレと回路径を選択し、ポンプを最大限床に近づけベッドとの落差を取り、それに足りうる最小限の回路長を選択することで、より安全な長期管理が可能となる。実臨床においてはこれに加え、移動や看護・管理の利便性などを加味して考える必要がある。

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