第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(口演)

腎 研究

[O32] 一般演題・口演32
腎 研究01

Fri. Mar 1, 2019 3:50 PM - 4:40 PM 第9会場 (国立京都国際会館2F Room B-2)

座長:成宮 博理(京都第二赤十字病院救急科)

[O32-4] 急性腎障害の発生頻度と死亡率、ならびに死亡における寄与危険割合の関連性と動向:系統的レビュー

小丸 陽平1, 土井 研人2, 井口 竜太2, 岩上 将夫3, 松浦 亮1, 濱崎 敬文1, 南学 正臣1, 森村 尚登2 (1.東京大学 医学部 附属病院 腎臓・内分泌内科, 2.東京大学 医学部 附属病院 救急科 集中治療部, 3.筑波大学 医学医療系 ヘルスサービスリサーチ分野)

【背景と目的】急性腎障害(AKI)の発生頻度や死亡率が世界各地のコホートから報告され、その結果は非常に多様である。背景疾患に加えて、各地の医療資源や診療の質も、この多様性に関与すると考えられている。本研究では、AKIの頻度と死亡率の関連性を検討することを目的とした。【方法】MEDLINE、EMBASEを用いて、AKIの頻度と死亡率を報告した文献を2004年から2018年5月の期間で探索した。各コホート内でAKI群の死亡率と死亡におけるAKIの寄与危険割合について、AKI発生頻度との関連性を検討した。また、報告年や一人あたりの国内総生産(GDP)と死亡率の関連を傾向検定にて検討した。【結果】系統的レビューで見出された287コホート(成人203コホート、707万6459人;小児 84コホート、6万9677人)を解析した。成人コホートでは、集団内でのAKI頻度が高くになるに従って、AKI群の死亡率は緩やかに上昇した(β=0.12, P=0.033)が、AKIの死亡における寄与危険割合は逆に低下した(β=-0.43, P<0.001;図)。報告年が後になるに従って、またGDPが高い国からの報告ほど、AKI群の粗死亡率は低下する有意な傾向があったが、同じ条件下でAKIの寄与危険割合は変化しなかった。【結論】AKIの発生頻度が高い成人コホートでは、AKIの死亡に対する寄与危険割合が相対的に低く、高い診断率や経験値の高いチームによる管理などによってAKI患者の予後が改善している可能性が示唆された。
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