[O33-2] 当院における維持透析患者に対する開心術の検討
【背景】わが国で慢性透析療法を行っている患者(維持透析患者)は年々増加しており、2016年の日本透析医学会の調査では約33万人と報告されている。維持透析患者の平均年齢は68歳と高齢化が進んでおり、同時に開心術を受ける患者も増加してきている。
【目的】維持透析患者における開心術の周術期管理はしばしば難渋するが、これらに関連する報告は多くない。今回われわれは自施設における維持透析患者に対する開心術についてまとめ、今後の患者管理をより良いものにするために検討を行った。
【方法】3ヶ月以上連続して透析療法を行っている患者を維持透析患者と定義した。2014年4月から2018年3月までの4年間に開心術を行った維持透析患者に対し、診療録を参照して後方視的に調査および検討を行った。
【結果】4年間で97名の維持透析患者に対して開心術を施行した。全例が血液透析患者であり、腹膜透析患者はいなかった。患者の平均年齢は72.8歳、中央値は69歳、最高齢は88歳であった。性別は男性が65名(67.0%)、女性が32名(33.0%)であった。維持透析となった原疾患の内訳は、糖尿病性腎症33名(34.0%)、慢性糸球体腎炎26名(26.8%)、腎硬化症10名(10.3%)、多発嚢胞腎3名(3.1%)、その他・不明25名(25.8%)であった。透析歴の平均は10.6年、中央値5年で、最長の患者では34.5年であった。ICU滞在日数は平均12.1日、中央値5日、入院日数は平均47.8日、中央値は19日であった。呼吸器を離脱した患者の呼吸器装着時間は平均76.0時間、中央値で21.0時間であり、また術前のドライウェイトまでに要した日数は平均10.5日であった。院内死亡は14例(14.4%)であり、感染症、低心拍出量症候群(LOS)、非閉塞性腸管虚血症(NOMI)によるものが多かった。
【結論】維持透析患者の開心術症例は増加傾向であるが、同様の手術が行われた非透析患者と比較すると予後は悪いと言える。今後も症例の蓄積と検討を継続し、予後悪化の要因を明らかにするとともに、今後の周術期管理に生かし、開心術を受ける透析患者の予後改善に貢献したい。
【目的】維持透析患者における開心術の周術期管理はしばしば難渋するが、これらに関連する報告は多くない。今回われわれは自施設における維持透析患者に対する開心術についてまとめ、今後の患者管理をより良いものにするために検討を行った。
【方法】3ヶ月以上連続して透析療法を行っている患者を維持透析患者と定義した。2014年4月から2018年3月までの4年間に開心術を行った維持透析患者に対し、診療録を参照して後方視的に調査および検討を行った。
【結果】4年間で97名の維持透析患者に対して開心術を施行した。全例が血液透析患者であり、腹膜透析患者はいなかった。患者の平均年齢は72.8歳、中央値は69歳、最高齢は88歳であった。性別は男性が65名(67.0%)、女性が32名(33.0%)であった。維持透析となった原疾患の内訳は、糖尿病性腎症33名(34.0%)、慢性糸球体腎炎26名(26.8%)、腎硬化症10名(10.3%)、多発嚢胞腎3名(3.1%)、その他・不明25名(25.8%)であった。透析歴の平均は10.6年、中央値5年で、最長の患者では34.5年であった。ICU滞在日数は平均12.1日、中央値5日、入院日数は平均47.8日、中央値は19日であった。呼吸器を離脱した患者の呼吸器装着時間は平均76.0時間、中央値で21.0時間であり、また術前のドライウェイトまでに要した日数は平均10.5日であった。院内死亡は14例(14.4%)であり、感染症、低心拍出量症候群(LOS)、非閉塞性腸管虚血症(NOMI)によるものが多かった。
【結論】維持透析患者の開心術症例は増加傾向であるが、同様の手術が行われた非透析患者と比較すると予後は悪いと言える。今後も症例の蓄積と検討を継続し、予後悪化の要因を明らかにするとともに、今後の周術期管理に生かし、開心術を受ける透析患者の予後改善に貢献したい。