[O34-4] 心臓超音波検査で検出できなかった回旋枝の分枝閉塞が導出18誘導心電図で検出できた一例
【背景】
回旋枝(LCx)の分枝は冠動脈バイパス手術(CABG)でも血行再建の対象となる血管であり、その領域の虚血の検出は重要である。しかしLCxの支配領域は心臓の裏側にあることから、同領域の虚血を12誘導心電図で検出することは困難であり、より狭い領域であるLCxの分枝の虚血検出は極めて困難である。
近年、導出18誘導心電図が一般臨床で使用可能となった。通常の12誘導心電図を実施するのみで、演算処理から右側胸部誘導や背側誘導が得ることができる技術であり、LCx領域の虚血検出への有用性が期待されている。
今回、我々はLCxの分枝閉塞が導出18誘導心電図で検出できた一例を経験した。本症例の経験は、CABG後のICU管理時のLCx領域の虚血の検出に有用と考えたため報告する。
【臨床経過】
症例は50歳代女性、甲状腺機能低下症で定期通院中だった。20XX年7月に胸部圧迫感を自覚し、発症から2時間30分後に当院を受診した。12誘導心電図、心臓超音波検査および心筋トロポニンで明らかな異常を認めなかったが、念のために入院とし採血でフォローした。翌朝の採血で心筋トロポニンの上昇を認めたため緊急で冠動脈造影を実施したところ、LCxの分枝閉塞を認め、緊急で経皮的冠動脈形成術を実施した。
受診時の心電図を導出18誘導で再解析をしたところ背側誘導で0.1mmのST上昇が認められていた(図参照)
【結論】
導出18誘導心電図はLCxの分枝閉塞であっても検出が可能である。同領域はCABGで血行再建が行われる部位であり、導出18誘導心電図はICUでの同領域の虚血の検出に有用である。
回旋枝(LCx)の分枝は冠動脈バイパス手術(CABG)でも血行再建の対象となる血管であり、その領域の虚血の検出は重要である。しかしLCxの支配領域は心臓の裏側にあることから、同領域の虚血を12誘導心電図で検出することは困難であり、より狭い領域であるLCxの分枝の虚血検出は極めて困難である。
近年、導出18誘導心電図が一般臨床で使用可能となった。通常の12誘導心電図を実施するのみで、演算処理から右側胸部誘導や背側誘導が得ることができる技術であり、LCx領域の虚血検出への有用性が期待されている。
今回、我々はLCxの分枝閉塞が導出18誘導心電図で検出できた一例を経験した。本症例の経験は、CABG後のICU管理時のLCx領域の虚血の検出に有用と考えたため報告する。
【臨床経過】
症例は50歳代女性、甲状腺機能低下症で定期通院中だった。20XX年7月に胸部圧迫感を自覚し、発症から2時間30分後に当院を受診した。12誘導心電図、心臓超音波検査および心筋トロポニンで明らかな異常を認めなかったが、念のために入院とし採血でフォローした。翌朝の採血で心筋トロポニンの上昇を認めたため緊急で冠動脈造影を実施したところ、LCxの分枝閉塞を認め、緊急で経皮的冠動脈形成術を実施した。
受診時の心電図を導出18誘導で再解析をしたところ背側誘導で0.1mmのST上昇が認められていた(図参照)
【結論】
導出18誘導心電図はLCxの分枝閉塞であっても検出が可能である。同領域はCABGで血行再建が行われる部位であり、導出18誘導心電図はICUでの同領域の虚血の検出に有用である。