[O38-2] 冠動脈バイパス術後の心房細動発生は頚動脈内膜中膜複合体厚に影響を受ける可能性がある
【背景】心房細動は、冠動脈バイパス術(CABG)後によくみられる合併症である。これが見られた場合、心不全リスクや脳梗塞発症リスクの増加、さらには死亡率の悪化も示唆されている。
【目的】心房細動の予測因子を推測し、可能ならばCABG術前の介入を行うことによって、それの発生を回避することを目的とする。
【方法】当院で2016年4月から2018年8月までに冠動脈バイパス術を行った患者を対象に、後方視的に研究を行った。調査項目は、患者年齢、術前の左室駆出率、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)値、クレアチニン値、電解質値、左右の頚動脈内膜中膜複合体厚(IMT)値とした。解析方法はノンパラメトリック検定(ウィルコクソンの順位和検定)を用い、p<0.05を有意とした。術後に大動脈バルーンパンピング装置を装着した症例や術前からの不整脈発生者は除外症例とした。
【結果】対象46症例のうち、心房細動発生者は14症例(74.6±5.7歳)、非発生者は32症例(72.1±8.0歳))であった。上記項目のうち、関連性が推測できたのは、左右の頚動脈内膜中膜複合体厚値と術前の脳性ナトリウム利尿ペプチド値であった。左右のIMT値とBNP値の二変量関係において、IMT値が右では1.26±0.19mm以上の場合、術後心房細動が起こる可能性が高いことが示唆された。尚、退院後も心房指導が継続したのは、14例中3例であった。
【結論】術後心房細動は左右のIMT厚が厚くなるほど発生する可能性が示唆された。今後は可能ならば、スタチン投与などによるIMT軽減方法が、CABG発症率に影響を与えるのかどうか調査を継続したいと考える。
【目的】心房細動の予測因子を推測し、可能ならばCABG術前の介入を行うことによって、それの発生を回避することを目的とする。
【方法】当院で2016年4月から2018年8月までに冠動脈バイパス術を行った患者を対象に、後方視的に研究を行った。調査項目は、患者年齢、術前の左室駆出率、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)値、クレアチニン値、電解質値、左右の頚動脈内膜中膜複合体厚(IMT)値とした。解析方法はノンパラメトリック検定(ウィルコクソンの順位和検定)を用い、p<0.05を有意とした。術後に大動脈バルーンパンピング装置を装着した症例や術前からの不整脈発生者は除外症例とした。
【結果】対象46症例のうち、心房細動発生者は14症例(74.6±5.7歳)、非発生者は32症例(72.1±8.0歳))であった。上記項目のうち、関連性が推測できたのは、左右の頚動脈内膜中膜複合体厚値と術前の脳性ナトリウム利尿ペプチド値であった。左右のIMT値とBNP値の二変量関係において、IMT値が右では1.26±0.19mm以上の場合、術後心房細動が起こる可能性が高いことが示唆された。尚、退院後も心房指導が継続したのは、14例中3例であった。
【結論】術後心房細動は左右のIMT厚が厚くなるほど発生する可能性が示唆された。今後は可能ならば、スタチン投与などによるIMT軽減方法が、CABG発症率に影響を与えるのかどうか調査を継続したいと考える。