[O43-2] ミルタザピン過量内服とホウ酸摂取により致死的経過を辿った1例
ミルタザピンは四環系抗うつ薬に分類されており、従来の三環系抗うつ薬と比較して安全性が高いと言われている。今回、ミルタザピンとホウ酸を内服後に致死的経過を辿り、救命に成功した症例を経験したため報告する。[現病歴]49歳女性。既往はうつ病。ホウ酸とミルタザピンを多量内服し、意識障害で前医へ搬送された。ショック状態であり、前医での加療困難とのとで当院搬送。[来院時vital sign]血圧45/13mmHg橈骨動脈触知可, 心拍数190bpm, 体温37.0℃, 意識 GCS E1VtM4[内服量] ホウ酸(不明), ミルタザピン(1950mg), センノシド(780mg)[経過]来院後、PEAへ移行。心臓マッサージによる蘇生により心拍再開するも、致死的不整脈を繰り返すためPCPSを導入し、ICUへと入室。急性腎障害も併発していたためCHDFも導入された。第4病日に自己心拍再開し、第6病日にPCPS離脱、第7病日に気管切開術を施行した。経過中にPCPSの送血管が留置されていた右下肢の虚血があり、第22病日に右下肢切断術を施行。第39病日に転院となった。