第46回日本集中治療医学会学術集会

講演情報

一般演題(口演)

中毒

[O45] 一般演題・口演45
中毒03

2019年3月1日(金) 10:30 〜 11:20 第12会場 (国立京都国際会館5F Room 510)

座長:笹野 寛(名古屋市立大学病院 救急科)

[O45-1] 急性コルヒチン中毒に対する抗エンドトキシン療法の有効性

磯崎 翔太郎1, 田中 宏樹1, 堀越 佑一2, 中嶋 駿介2, 堀岡 希衣1, 奥田 勝博1, 浅利 優1, 藤田 智2, 清水 惠子1 (1.旭川医科大学 法医学講座, 2.旭川医科大学 救急医学講座)

【背景】急性コルヒチン中毒は過量服薬やコルヒチン含有植物の誤食などにより生じる致死率の高い中毒である。当講座でも同中毒により死亡した法医解剖事例を近年多く経験しているが、急性コルヒチン中毒に対する有効な治療法は知られてない。今回、剖検した死体血中のエンドトキシン濃度及びTNF-α濃度が高値であった結果を元に、中毒モデルマウスを使用した急性コルヒチン中毒に対する抗エンドトキシン療法の可能性について検討した。
【方法】C57BL/6雄マウスに30 mg/kgのコルヒチンを経口投与した急性コルヒチン中毒モデルマウスを作成し、抗エンドトキシン療法群(n=10)とコントロール群(n=10)の予後に関して比較した。コルヒチン経口投与3時間後に、抗エンドトキシン療法群にはTLR4アンタゴニストとしてTAK-242を5mg/kg、コントロール群には生理食塩水を腹腔内投与した。コルヒチン投与後の生存曲線を作成し2群間に差があるか検討した。
【結果】コントロール群では25時間後までにすべてのマウスが死亡したのに対して、抗エンドトキシン療法群では一過性に下痢症状を認めたものの48時間以降もすべてのマウスが衰弱せず生存していた(P<0.001)。
【結論】急性コルヒチン中毒の病態にはエンドトキシンが関与しており、抗エンドトキシン療法が有効である可能性が示唆された。
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