第46回日本集中治療医学会学術集会

講演情報

一般演題(口演)

蘇生 研究

[O49] 一般演題・口演49
蘇生 研究02

2019年3月1日(金) 16:00 〜 17:00 第12会場 (国立京都国際会館5F Room 510)

座長:大谷 典生(聖路加国際病院 救急部・救命救急センター)

[O49-3] 高齢者集団における心原性病院外心停止の増加

富田 明子, 前川 邦彦, 高橋 悠希, 松本 悠, 土田 拓見, 川原 翔太, 水柿 明日美, 吉田 知由, 和田 剛志, 早川 峰司 (北海道大学病院 先進急性期医療センター)

【背景】急性冠症候群は病院外心停止(OHCA)の主な原因のひとつである。心筋梗塞の発生率は年々減少していることが報告されているが、心原性OHCAにおける傾向は報告されていない。そこで我々は心原性OHCAの発生数の変化を調べた。【方法】2005年1月から2012年12月までの期間に救急隊により病院に搬送された全OHCA患者が登録された全国レジストリデータを用いて後ろ向き研究を行った。全患者を年齢別に0~17歳、18~29歳、30~39歳、40~49歳、50~59歳、60~69歳、70~79歳、80歳以上に分類し、人口10万人に対するOHCA年間発生数を計算した。経時的な傾向を評価するためCochran-Armitage testを使用した。【結果】2005年から2012年の平均人口1億2,000万人のうち、925270人のOHCA患者が登録され、482235人(52.1%)が心原性OHCAであった。心原性、呼吸器系疾患、悪性腫瘍、外因性OHCA発生数は経時的に増加しており、一方、脳血管障害によるOHCA発生数は減少していた(それぞれp<0.001 for trend)。心原性OHCAを対象としたサブ解析では、人口10万人に対する心原性OHCA発生数は、80歳以上の患者群では2005年の355人から2012年に416人に増加したが(p<0.001 for trend)、80歳未満の各患者群では変化は認められなかった。【結語】80歳以上の高齢者集団において心原性OHCAの発生数が増加していた。