[O51-4] 活動報告：心臓外科手術後の呼吸器離脱パスのバリアンス可視化の取り組み
【背景】当院では心臓手術後のICU入室から抜管までの過程を標準化し、クリニカルパス(以下パス)を作成して改訂を重ねてきた。過去1年間にパスに沿って抜管した例における再挿管はなく、術後の挿管時間のヒストグラムは2峰性で最頻値は6.5時間と14時間となっており、安全で短時間での呼吸器離脱を実現している。一方で、現場ではパスを使用した記録がどのように活かされているかを知る機会がなく、細かく記録を残すことへの不満も見られていた。【目的】パスの記録を可視化し、ICUスタッフが自由に閲覧可能とすることで、術後管理にあたるスタッフの教育に役立てることを目的とした。【経過】文書管理データベースであるFUJIFILMの「Yahgee」をもちいて、印刷してベッドサイドに置いておけるパスのフォームを作成した。術後管理にあたる看護師、臨床工学技士はパスに書かれた手順に沿って呼吸器離脱をすすめ、その記録を一旦は紙に記す。後日医療秘書が形式通りの記録かをチェックしながらYahgeeに入力した。この過程で、すぐに集計可能なデータが集まった。可視化はJust systemの「Actionista!」を用いて行い、下図のようなレポートを自動作成し、院内の情報を閲覧できるポータルページから自由に閲覧できる様にした。バリアンス発生の時間帯と対処法を示すレポートは、教科書やマニュアルには記されていない術後管理のノウハウを表す貴重な資料であり、スタッフからの反応も良好だった。【結論】データに基づいた教育、診療過程の改善の素地ができた。
