[O51-5] 重み付けpLSAとベイジアンネットワークを用いたDPCの敗血症治療戦略への応用
【背景】DPCデータの蓄積が進みこれら医療ビッグデータの重要性が認識されその利活用に期待が寄せられている。現状ではDPCを用いた集中治療関連の報告は散見されるが、治療法の効果などを検証した結果が大半であり、新たな治療戦略の選択・比較への応用などの報告は少ない。我々はDPCデータとpLSA(確率的潜在意味解析)を用いて集中治療を要する患者と診療行為の同時クラスタリング及び患者のクラスタ時間遷移パターンを抽出し、医師の治療戦略決定支援アルゴリズムの実現可能性を検証してきた。【目的】本研究では、死亡率、在院日数等の注目している目的変数に影響を及ぼす診療行為を確率モデリングにより探索的に見つける。【方法】敗血症患者458名、4406の診療行為のDPCデータからまず死亡率、在院日数等の目的変数に影響する診療行為をベイジアンネットワークを用いて探し、その診療行為に重みを付けたpLSA(weighted pLSA)を適用し、重み付けしない場合と比較する。【結果】重みを付けたpLSAにより、死亡率や在院日数の違いをより明確に示したクラスタリングが可能であることを確かめた。【結論】本手法を用いる事で任意の特定の治療行為をどの患者にどのタイミングで行えば良いかなど治療戦略選択に関する予測モデルの構築が可能となり、DPCデータを活用した敗血症治療ナビゲーション、治療戦略決定支援のために利用できる。