第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(口演)

血液浄化 研究

[O56] 一般演題・口演56
血液浄化 研究01

Fri. Mar 1, 2019 2:00 PM - 2:40 PM 第13会場 (国立京都国際会館1F Room F)

座長:日高 正剛(大分大学医学部附属病院)

[O56-1] 持続腎代替療法施行時間が血小板数の変化に与える影響

阿瀬井 宏佑, 巻野 将平, 江木 盛時, 溝渕 知司 (神戸大学 医学部附属病院 麻酔科)

【背景】持続腎代替療法(Continuous Renal Replacement Therapy; 以下CRRT)を受けた患者では血小板減少が生じることが報告されている。またCRRT施行に伴う血小板減少は、透析膜の種類・血液流量・原疾患・使用薬剤と有意に関連するとされている。しかしCRRT施行時間と血小板数減少との関連を検討した研究は未だ存在しない。【目的】CRRT施行時間が血小板数の変化に与える影響について検討する。【方法】本研究は、当院ICUにおいて2016年6月1日から2018年3月10日までの間にCRRTを必要とした成人患者を対象とした単施設後ろ向き観察研究である。体外式膜型人工肺(Extracorporeal membrane oxygenation; 以下ECMO)の使用および血小板輸血を受けた患者を除外した。対象患者のCRRT施行日の内、CRRTを施行した最初の3日間を研究対象期間とした。対象患者の患者情報、研究対象期間における毎朝6時の血液検査データ、透析情報を電子カルテから収集した。主要評価アウトカムとして朝6時から翌朝6時までの24時間の血小板数の変化量(ΔPLT)を算出した。ΔPLTと24時間中のCRRT施行時間の関係は、Pearson`s regression analysisを用いて検討した。また、各因子を調整した両者の関係を検討するためにMultivariate regression analysisを用いた。p<0.05を統計学的有意差ありとした。【結果】研究期間中にCRRTが施行された患者74人のうち、ECMOの使用、および血小板輸血された患者を除いた47人(研究対象日:89日)が対象となった。患者背景は平均年齢66±15歳、APACHEIIスコア19±6、維持透析患者17人(36%)、感染症合併患者16人(34%)、DIC合併患者 27人(57%)、術後患者37人(79%)であった。CRRT開始日の血小板数は9.3±6.5万/μLであった。CRRT施行時間は平均17.6±6.7時間(20-24時間:44%、16-20時間:20%、12-16時間:15%、8-12時間:10%、4-8時間:8%、0-4時間:3%)であり、各研究日において血小板数は平均0.8±2.3万/μL減少した。ΔPLTとCRRT施行時間は関連しなかった(p=0.45)。また回路凝固の有無、感染症の有無、急性期DICスコアを交絡因子として多変量解析を行ったが、CRRT施行時間はΔPLT に関連しなかった(p=0.58)。【結論】CRRT施行時間は血小板数の変化に関連しなかった。