第46回日本集中治療医学会学術集会

講演情報

一般演題(口演)

血液浄化 症例

[O57] 一般演題・口演57
血液浄化 症例01

2019年3月1日(金) 14:40 〜 15:40 第13会場 (国立京都国際会館1F Room F)

座長:片山 浩(川崎医科大学 麻酔・集中治療医学3/川崎医科大学総合医療センター 麻酔・集中治療科)

[O57-2] 開心術における慢性透析患者の検討

有永 康一1,2, 佐藤 晃1, 日野 東洋1,2, 金本 亮2, 田中 啓之2 (1.久留米大学病院 集中治療部, 2.久留米大学病院 外科)

【目的】慢性透析患者の開心術について、周術期管理を含めその早期成績について検討した。【対象】2015年4月より2018年8月までに当科で行った開心術約のなかで慢性透析症例60例を対象とした。年齢は平均69.4±9.6(44-87)才で、性別は女性17名男性43名であった。緊急手術は7例で、疾患別では冠動脈疾患25例、弁膜症34例、大血管1例で弁膜症16例に同時に冠動脈バイパス術を行った。【方法】これらの症例を術後早期成績と死亡例について検討した。【結果】(1)病院死亡は4例(6.7%)に認めた。死因は非閉塞性腸管壊死(NOMI)2例、縦隔洞炎1例、敗血症1例であった。術後の合併症は気管切開8例、NOMI3名、一過性の痙攣3例、縦隔洞炎1例であった。術後18例にCHDFを併用し、3日間以上の人工呼吸器管理は12名、5日間以上のカテコラミンサポートは12例であった。5日以上の長期ICU滞在は18例に認めた。死亡例の検討では1例目は76才DVR+reCABGのredo症例。術後LOSを認め、POD10抜管しPOD26にICU退室したがPOD28日腹痛よりNOMIと診断した。2例目は70才の心膜剥皮及びTVRのredo症例。LOSで長期管理中に間質性肺炎とNOMIを認めた。3例目は73才DVR+CABG症例。LOSで長期管理中に敗血症を認めた。4例目は83才でAVR症例。覚醒遅延でPOD10にICU退室した。POD22に発熱より縦隔洞炎を認めた。【結語】慢性透析患者の開心術の病院死亡は4名6.7%で諸家の報告と比べて満足いくものであった。死亡症例はredoの弁膜症が多く術後のLOS、長期管理中の腸管虚血、感染症からの敗血症が関連していた。