[O57-4] 横紋筋融解症に伴ったAKI(Acute Kidney Injury)に対する血液浄化療法の有用性の検討
【背景】横紋筋融解症とは、筋細胞内の電解質・ミオグロビン・筋逸脱酵素などが血液中に流出した状態をいうが、横紋筋融解症にAKIを15-30%程度合併すると報告されている。そのAKI発生機序は未だ不明な点も多いが、ミオグロビンが主な原因とされており、AKIの発症が横紋筋融解症の予後を左右すると言われている。
【目的】横紋筋融解症に伴うAKIの治療として行われた、血液浄化療法の有用性を当院の症例を通じて検討する。
【方法】当院で2013~2018年の間に経験した、AKIを伴った横紋筋融解症に対して、血液浄化療法を施行した症例のミオグロビン値やBUN/Cre値などの推移(Day0,1,3,7)やその効果を検討した。
【結果】症例は13例(男:女=9:4)。平均年齢59.3±21.7歳(中央値61.5歳)。主な病名が長期臥床に伴うクラッシュ症候群が3例、壊死性筋膜炎が3例、熱中症2例、感染症2例、その他(CPA蘇生後、外傷、不明の各1例)が3例であった。主に行われた血液浄化療法は12例にHDF(ヘモダイアフィルター APS-21EもしくはFDZ-21使用)のみの施行、外傷症例の1例にはHDF、CHDF、PEX(血漿交換)が行われた。13例の中で、外傷の1例のみが死亡。そのほか12例は生存し、HDFからも離脱でき、腎予後も良好であった。施行されたHDFは平均8.9±6.4回であり、またHDFによって、ミオグロビン値などの逸脱酵素は有意に減少した。
【結論】当院の結果からは、横紋筋融解症に伴うAKIに対するHDFは腎予後からも有用と考えられた。ミオグロビン(分子量17.8kDa)の除去能に関しては、ハイフラックス膜のヘモダイアフィルターはミオグロビン除去効率が高いと言う報告もあり、除去効率を考えると当院で使用しているヘモダイアフィルターによるHDFが有用な可能性が考えられる。当院で経験した横紋筋融解症に伴うAKIの治療例を報告するとともにその血液浄化療法について文献的考察を加えて報告する。
【目的】横紋筋融解症に伴うAKIの治療として行われた、血液浄化療法の有用性を当院の症例を通じて検討する。
【方法】当院で2013~2018年の間に経験した、AKIを伴った横紋筋融解症に対して、血液浄化療法を施行した症例のミオグロビン値やBUN/Cre値などの推移(Day0,1,3,7)やその効果を検討した。
【結果】症例は13例(男:女=9:4)。平均年齢59.3±21.7歳(中央値61.5歳)。主な病名が長期臥床に伴うクラッシュ症候群が3例、壊死性筋膜炎が3例、熱中症2例、感染症2例、その他(CPA蘇生後、外傷、不明の各1例)が3例であった。主に行われた血液浄化療法は12例にHDF(ヘモダイアフィルター APS-21EもしくはFDZ-21使用)のみの施行、外傷症例の1例にはHDF、CHDF、PEX(血漿交換)が行われた。13例の中で、外傷の1例のみが死亡。そのほか12例は生存し、HDFからも離脱でき、腎予後も良好であった。施行されたHDFは平均8.9±6.4回であり、またHDFによって、ミオグロビン値などの逸脱酵素は有意に減少した。
【結論】当院の結果からは、横紋筋融解症に伴うAKIに対するHDFは腎予後からも有用と考えられた。ミオグロビン(分子量17.8kDa)の除去能に関しては、ハイフラックス膜のヘモダイアフィルターはミオグロビン除去効率が高いと言う報告もあり、除去効率を考えると当院で使用しているヘモダイアフィルターによるHDFが有用な可能性が考えられる。当院で経験した横紋筋融解症に伴うAKIの治療例を報告するとともにその血液浄化療法について文献的考察を加えて報告する。