[O62-2] スパイロメータを用いた抜管直前呼吸機能検査における最大呼気圧は術後再挿管の予測因子になり得る
【背景】早期に抜管を目指しつつ再挿管を回避する要因を同定することは患者の予後改善に寄与すると考えられる。当院ICUでは抜管直前に努力肺活量(FVC)、一秒量(FEV1)、最大吸気圧(PImax)、最大呼気圧(PEmax)の計測を行っている。再挿管の主な原因の一つに痰の喀出困難がある。呼吸機能検査は自己排痰能力を反映する指標であり、抜管直前に呼吸機能を評価することは抜管可否の判定ならびに再挿管を予測できる可能性がある。特にPEmaxは呼気筋によって生み出される気道系の圧力を示すため、より直接的に自己排痰能力を反映する可能性があるが、明らかではない。
【目的】抜管直前呼吸機能検査におけるPEmaxは術後再挿管の予測因子であると仮説を立てて後方視的に検討を行った。
【方法】2015年6月2日から2018年7月31日の間に、術後管理目的で人工呼吸器装着のままICUへ入室した症例のうち、抜管直前に呼吸機能検査を行えた症例を対象とした。対象者を抜管後72時間以内の再挿管の有無で分け、APACHEIIスコア、性別、術式をマッチングした。背景因子と抜管直前の呼吸機能検査値を再挿管群と非再挿管群で比較検討した。計測はSPIROMETER HI-801(チェスト社製)を用い,気管チューブに接続して行った。数値は平均値±標準偏差で表した。統計には対応のないt-検定を用いた。
【結果】全326例中再挿管群は11例であり、非再挿管群315例中の11例をマッチングさせた。両群ともに男性:8例、女性:3例、術式は開胸術が4例、開腹術が5例、胸腔鏡下が1例、腹腔鏡下が1例であった。再挿管群と非再挿管群の背景因子は年齢: 70±12歳、68±12歳、手術時間: 513.2±238.5分、526.3±206.9分、ICUへ入室してから初回の抜管までに要した日数:4±2日、3±2日、BMI:20.6±1.9kg/m2、21.8±3.0kg/m2、抜管直前のP/F比:380.0±95.0、382.3±70.5であり、いずれも両群間で有意差を認めなかった。再挿管群と非再挿管群の抜管直前呼吸機能検査値はFVC:1.2±0.5L、1.2±0.4L、FEV1:1.1±0.4L、1.1±0.3L、PImax:32.5±18.3 cmH2O、32.9±13.9 cmH2O、PEmax:30.3±17.6 cmH2O 、44.9±11.4 cmH2Oであり、PEmaxのみ再挿管群で有意に低い結果となった(p<0.05)。
【結論】スパイロメータを用いた抜管直前呼吸機能検査における最大呼気圧は術後再挿管の予測因子になり得る。
【目的】抜管直前呼吸機能検査におけるPEmaxは術後再挿管の予測因子であると仮説を立てて後方視的に検討を行った。
【方法】2015年6月2日から2018年7月31日の間に、術後管理目的で人工呼吸器装着のままICUへ入室した症例のうち、抜管直前に呼吸機能検査を行えた症例を対象とした。対象者を抜管後72時間以内の再挿管の有無で分け、APACHEIIスコア、性別、術式をマッチングした。背景因子と抜管直前の呼吸機能検査値を再挿管群と非再挿管群で比較検討した。計測はSPIROMETER HI-801(チェスト社製)を用い,気管チューブに接続して行った。数値は平均値±標準偏差で表した。統計には対応のないt-検定を用いた。
【結果】全326例中再挿管群は11例であり、非再挿管群315例中の11例をマッチングさせた。両群ともに男性:8例、女性:3例、術式は開胸術が4例、開腹術が5例、胸腔鏡下が1例、腹腔鏡下が1例であった。再挿管群と非再挿管群の背景因子は年齢: 70±12歳、68±12歳、手術時間: 513.2±238.5分、526.3±206.9分、ICUへ入室してから初回の抜管までに要した日数:4±2日、3±2日、BMI:20.6±1.9kg/m2、21.8±3.0kg/m2、抜管直前のP/F比:380.0±95.0、382.3±70.5であり、いずれも両群間で有意差を認めなかった。再挿管群と非再挿管群の抜管直前呼吸機能検査値はFVC:1.2±0.5L、1.2±0.4L、FEV1:1.1±0.4L、1.1±0.3L、PImax:32.5±18.3 cmH2O、32.9±13.9 cmH2O、PEmax:30.3±17.6 cmH2O 、44.9±11.4 cmH2Oであり、PEmaxのみ再挿管群で有意に低い結果となった(p<0.05)。
【結論】スパイロメータを用いた抜管直前呼吸機能検査における最大呼気圧は術後再挿管の予測因子になり得る。