第46回日本集中治療医学会学術集会

講演情報

一般演題(口演)

検査法・モニタリング

[O62] 一般演題・口演62
検査法・モニタリング02

2019年3月1日(金) 15:40 〜 16:30 第14会場 (国立京都国際会館1F Room G)

座長:野﨑 歩(社会福祉法人京都社会事業財団京都桂病院薬剤科)

[O62-5] 薬剤師によるバンコマイシンの初回投与設計とその意義

齋藤 靖弘1, 松田 知倫2, 瀧 健治2, 武田 清孝1 (1.札幌東徳洲会病院 薬剤部, 2.札幌東徳洲会病院 臨床試験センター医学研究所 救急研究部)

【目的】今回、当院救急科担当薬剤師によるバンコマイシン(以下、VCM)の初回投与設計の有用性を後方視的に検討し、考察したので報告する。
【方法】調査期間は平成29年4月1日~平成30年3月31日とした。調査対象は当院集中治療室入室患者のうちVCMを3日目以降まで継続投与された患者とした。対象をA群:薬剤師が初回投与設計していた群、B群:薬剤師が初回投与設計していなかった群の2群に分けて調査を行った。調査項目はVCM投与開始3日目におけるトラフ血中濃度の平均値±標準偏差、初回投与量とした。
【結果】対象はA群が6名、B群が7名だった。調査項目に関しては、A群が19.35±0.83μg/mL、B群が16.61±6.56μg/mLだった。初回投与量はA群が平均1666.7±235.7 mg、B群が1000±267.3 mgだった。
【考察】当院救急科では早期VCM-トラフコントロールを目的として2nd doseからTDMを薬剤師主導で実施しており、加えて初回投与設計時全例25-30mg/kg2nd doseを推奨している。結果としてA群では平均目標トラフ値が15-20μg/mLを達成でき、かつ標準偏差が非常に小さい結果となった。薬剤師が負荷投与を含めた初回投与設計を行い、2nd doseからTDMを実施することで、より有効かつ安全なVCMの投与が可能になると思われる。
【結論】VCMの投与をする際には、薬剤師が初回投与設計を行っていく必要がある。