第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(口演)

検査法・モニタリング

[O63] 一般演題・口演63
検査法・モニタリング03

Fri. Mar 1, 2019 4:30 PM - 5:20 PM 第14会場 (国立京都国際会館1F Room G)

座長:野村 岳志(東京女子医科大学集中治療科)

[O63-6] 院内心肺停止蘇生事例の発症前バイタルサインの検討

三木 豊和, 出口 亮, 秋田 尚毅, 夏川 知輝, 植森 貞為, 加藤 昇 (淀川キリスト教病院)

当院では以前より院内急変コールを採用している(2回/月程度発令)。意識消失や痙攣、心肺停止やそれに準じる時に全館放送を通じて集合可能な医療従事者が現地に参集するシステムである。しかし、心肺停止後の急変コール症例の予後は悪く、発症前の早期認識・介入、即ち予防が重要である。一般病棟で発生した予期しない心肺停止のうち、DNR/DNARでないICU入室事例の発症直前のバイタルサインを検証、早期発見のための前兆を検討した。2012.7-2018.8(新病院開院から現在)で97106人(15000-16000名/年)が入院した。予期しない心肺停止のうち、DNR/DNARでない64名の症例で入室があった(1000人入院当たり0.67人)。死亡率54%(35人)であったが、生存者もほぼ全例神経学的後遺症を残した。発生場所は循環器病棟が多かった。発症前(1-24時間前)のカルテ記載をみると脈拍・血圧・体温・SpO2はほぼ全員記載(96-100%)されているが、呼吸数のみ記載率2割未満(19%)と認識が乏しい結果がわかった。ただし、記載されている呼吸数は20回以上の頻呼吸であり、呼吸様式の変調に気づいた時のみ回数を測定・記録している実態が伺われる。頻呼吸でもSpO2 95%以上と必ずしも低酸素ではなかった。発症直前のバイタルサインでは100回/分以上の頻脈と20回/分以上の頻呼吸が多くの症例で認められており、既報の通り心肺停止の予測因子になりうる。血圧や体温には一定の傾向は認められず、高血圧・低血圧や高熱・低体温はその時点で担当医に報告していることが推認される。以上からバイタルサインを記載する際の注意点として、体温や脈拍数に加えて呼吸数も測定・記録する、100回/分以上の頻脈と20回/分以上の頻呼吸が認められた場合には急変予備状態・要警戒患者として優先的にモニター装着、個室対応にするなどの早期介入する余地があると思われる。