[O66-6] ICUに入室した高齢患者の長期予後
【背景】重症疾患罹患後のpost intensive care syndrome(PICS)や長期予後が注目されている。また、世界的に高齢化がすすみ、集中治療室(Intensive Care Unit : ICU)に入室する高齢者は増加している。そこで本研究では、ICUに入室した高齢患者の長期予後を調査することを目的とした。
【方法】本研究は、レセプトデータを使用した後ろ向き観察研究で、東京近郊の中都市の後期高齢者医療レセプトデータと介護保険レセプトデータを使用した。なお、本研究を行った中都市で、特定集中治療管理料をとっている医療機関は1施設であった。2012年4月から2013年9月にICUに入室した75歳以上の高齢患者を対象とした。主要評価項目は、ICU入院後の1年死亡率、2年死亡率とし、ICU入院後の生存時間解析のため、Kaplan-Meier曲線を作成した。
【結果】研究期間中、後期高齢者医療レセプトを請求された高齢患者は38280人、うち75歳以上で、特定集中治療管理料が請求された患者273人を研究対象とした。273人のうち、介護レセプトと突合できた患者は130人であった。年齢は中央値で83歳、男性が56.8%を占めた。術後入室が17.2%、主傷病名は、循環器疾患が最も多く、次いで、呼吸器疾患であった。治療に関しては、人工呼吸管理 41.8%、腎代替療法 5.1%、気管切開施行 10.3%であった。ICU入院日数は、1-3日が64.5%を占め、14日以上は4%であった。介護度に関しては、ICUに入室した入院前の介護度は、要介護1~5が各々16~20%を占め、ICUに入室した入院前後の介護度の変化は、介護度の上昇が70.6%を占めていた。予後に関しては、ICU死亡率 15.4%、ICU入院後の1年死亡率 49.8%、2年死亡率 57.1%であった。Kaplan-Meier曲線では、ICU入院約150日後までは急な低下を示し、生存確率が55%程度となるが、150日以降はなだらかに低下する傾向を示した。
【結論】ICUに入室した75歳以上の高齢患者は、約85%はICUを生存退室可能であった。一方でICUに入室した入院前後で介護度は増悪傾向であり、約半数が1年後には死亡していた。ICUに入室する75歳以上の高齢患者は退院後の長期予後も大きな課題であり、更なる研究が必要である。
【方法】本研究は、レセプトデータを使用した後ろ向き観察研究で、東京近郊の中都市の後期高齢者医療レセプトデータと介護保険レセプトデータを使用した。なお、本研究を行った中都市で、特定集中治療管理料をとっている医療機関は1施設であった。2012年4月から2013年9月にICUに入室した75歳以上の高齢患者を対象とした。主要評価項目は、ICU入院後の1年死亡率、2年死亡率とし、ICU入院後の生存時間解析のため、Kaplan-Meier曲線を作成した。
【結果】研究期間中、後期高齢者医療レセプトを請求された高齢患者は38280人、うち75歳以上で、特定集中治療管理料が請求された患者273人を研究対象とした。273人のうち、介護レセプトと突合できた患者は130人であった。年齢は中央値で83歳、男性が56.8%を占めた。術後入室が17.2%、主傷病名は、循環器疾患が最も多く、次いで、呼吸器疾患であった。治療に関しては、人工呼吸管理 41.8%、腎代替療法 5.1%、気管切開施行 10.3%であった。ICU入院日数は、1-3日が64.5%を占め、14日以上は4%であった。介護度に関しては、ICUに入室した入院前の介護度は、要介護1~5が各々16~20%を占め、ICUに入室した入院前後の介護度の変化は、介護度の上昇が70.6%を占めていた。予後に関しては、ICU死亡率 15.4%、ICU入院後の1年死亡率 49.8%、2年死亡率 57.1%であった。Kaplan-Meier曲線では、ICU入院約150日後までは急な低下を示し、生存確率が55%程度となるが、150日以降はなだらかに低下する傾向を示した。
【結論】ICUに入室した75歳以上の高齢患者は、約85%はICUを生存退室可能であった。一方でICUに入室した入院前後で介護度は増悪傾向であり、約半数が1年後には死亡していた。ICUに入室する75歳以上の高齢患者は退院後の長期予後も大きな課題であり、更なる研究が必要である。