[O68-1] 集中治療室における早期離床・リハビリテーションの施行の現状と課題の検討
【背景】集中治療室における、早期離床・リハビリテーション加算が導入され、その重要性が再認識されている。当院では、集中治療室に入室した全患者を対象に、早期離床・リハビリテーションの適応を評価し、積極的に介入を行っている。しかし入室した全患者に早期離床・リハビリテーションが適応できているわけではない。【目的】早期離床・リハビリテーションのあり方について検討することを目的に、早期離床・リハビリテーションを適応しなかった要因の検討を行った。【方法】2018年5月から7月に集中治療室に入室した全患者に対して、早期離床・リハビリテーション加算の算定件数とその割合を調べた。さらに各科ごとの算定率の割合を算出し、リハビリテーションを適応しなかった要因について検討を行った。【結果】2018年5月から7月に集中治療室に入室した患者数は延べ676人・日であった。そのうち、502人・日(74.3%)で早期離床・リハビリテーション加算の算定がとれた。上記期間中に25人以上入室した診療科と、その算定率は、循環器内科(68人、算定率86.8%)、循環器外科(88人、算定率98.9%)、血液内科(50人、算定率94%)、呼吸器内科(28人、算定率 89.3%)、消化器外科(195人、算定率85.1%)、脳外科(111人、算定率46.8%)、間脳下垂体外科(36人、算定率2.8%)であった。早期離床・リハビリテーション加算を適応しなかった例としては、冠動脈疾患に対して経皮的冠動脈形成術を行い、術後の安静が必要かつ、経過が良好で翌日に集中治療室を退室した患者など、入室期間が1泊2日であった例が多かった。集中治療室の入室期間が短い患者は、早期離床・リハビリテーションの算定を適応していない傾向があった。リハビリテーションのプログラムレベルについては、集中治療科の医師、看護師、理学療法士などが集まり、リハビリテーションチームで検討を行っているが、短期間の集中治療室入室患者については十分なアセスメントができていないこともあった。【結論】当院の集中治療室における早期離床・リハビリテーションの現状について検討を行った。短期間で集中治療室を退室する患者については、早期離床・リハビリテーション加算を適応していない傾向があった。集中治療室のリハビリテーションチームでの取り組みや、リハビリテーションのプログラムレベルの妥当性・随時性など、現在取り組んでいる課題も含めて報告を行う。