[O68-2] 当院集中治療室における、早期離床・リハビリテーションの取り組み
【はじめに】当院では診療報酬改訂を機に2018年6月から理学療法士1名を専任とし、早期離床・リハビリテーション加算を算定している。そこで早期離床・リハビリテーションプログラム作成・運用等について報告する。
【早期離床・リハビリテーション加算の業務概要】離床可否は、主治医の許可した安静度と、多職種で評価した症例の状態により判断する。安静臥床が必須の場合を除いて積極的に離床させている。
集中治療室専任理学療法士(以下PT)と看護師は、症例毎に入室前日から状況点検し、夜勤看護師との情報共有、日勤者でのカンファレンスを行い離床させている。
入室前日から状況点検することであらかじめ、PTの直接介入の要否を判断でき、適切な援助に寄与している。
具体的には、入院時日常生活活動自立で、予定手術後1泊の症例等ではPTの直接介入が不要なことが多かった。
重度意識障害等で介助量の多い症例・(既往も含む)脳血管疾患や整形外科疾患等に起因する肢体障害で個別に介助方法等の工夫を要する症例では、PTの直接介入の頻度が高かった。
平均在室日数は2.05日であった。
【早期離床・リハビリテーション加算対象症例】2018年7月単月の入室者実数は86例、うち早期離床・リハビリテーション加算対象は14例、退室時離床可能であったものは64例、74.4%が離床できていた。
早期離床・リハビリテーション加算対象症例は、電子カルテに収載したテンプレートで評価を行い、実施状況も記録している。14例のうち、退院までに離床できなかったものは、4例であり、その理由は、死亡退院・JCS300・坐位に介助を要した、であった。
【離床状況】86例のうち、移乗全介助で退室したものは、20例であり、その理由は、意識障害・血圧低値・起坐禁、等であった。
【PT専任配置の利点と課題】利点としては、覚醒・鎮痛・循環動態等、症例の状態に応じてより適した時刻に介入できること・他職種連携の推進に寄与することが挙げられる。
課題としては、高度急性期病院であるが故に、自宅以外に退院する症例が多い。このため、早期離床が日常生活活動に寄与できたか検証することが極めて困難である。
また、35名の集中治療室配属看護師全員が同じように、プロトコルを解釈・実践できているとは言えず、今後プロトコルの改訂作業等を機会に改善を図りたい。